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BLOG 不動産ニュース 福岡・北九州 安川 亮介

2026/09/14

福岡市7区を数字で比較|人口・地価・中古マンション価格・主要駅から見る街の違い

福岡市の不動産を見るとき、「中央区が高い」「博多駅周辺が便利」「西新は人気」という話だけでは、実はかなりもったいないです。

福岡市には東区・博多区・中央区・南区・城南区・早良区・西区の7区がありますが、人口の多さ、面積、住宅地の地価、中古マンション価格、街の成長している方向がかなり違います。

例えば、人口が一番多いのは中央区ではなく東区です。福岡市で一番面積が広いのは早良区ですが、その大部分が住宅地というわけでもありません。西区を見ると、昔からの中心である姪浜だけではなく、九大学研都市・今宿・周船寺方面へ街が広がっています。

今回は、数字を並べながら「福岡市7区は何が違うのか」を不動産目線で見てみます。

まず福岡市7区を数字で比較してみる

最初に人口、面積、住宅地の公示地価、中古マンションの掲載価格相場を並べます。

人口は福岡市が公表している2026年3月1日時点の推計人口、住宅地の地価は2026年1月1日時点の地価公示、中古マンション価格は記事作成時点で確認できるアットホーム掲載物件の直近3ヶ月相場を使っています。

区 人口 面積 住宅地平均地価 前年比 中古マンション相場
東区 約34.0万人 69.46km² 15.27万円/㎡ +5.9% 約2,694万円
博多区 約26.4万人 31.62km² 27.33万円/㎡ +7.6% 約2,412万円
中央区 約21.6万人 15.39km² 59.31万円/㎡ +6.7% 約3,425万円
南区 約27.1万人 30.98km² 23.80万円/㎡ +6.8% 約1,896万円
城南区 約13.4万人 15.99km² 19.78万円/㎡ +6.7% 約2,226万円
早良区 約22.5万人 95.87km² 27.11万円/㎡ +7.7% 約3,196万円
西区 約21.4万人 84.16km² 16.24万円/㎡ +7.9% 約2,698万円

この表だけでも結構面白いです。

一番人口が多い東区は約34万人いますが、中古マンション相場は中央区や早良区より低い。一方、中央区は人口約21.6万人なのに、住宅地平均地価が1㎡あたり約59万円と他区を大きく引き離しています。

さらに南区は福岡市で人口が2番目に多いのに、中古マンションの掲載価格相場は7区の中では一番低い水準です。

人口が多い区=不動産が高い区、ではありません。
人口、交通、住宅地の広がり方、商業機能、土地の希少性などが重なって不動産価格が作られています。

駅の利用者数を見ると「街の中心」がさらに見えてくる

不動産を見るうえで僕が面白いと思う数字の一つが、駅の利用者数です。

ただし、JRは「1日平均乗車人員」、地下鉄や西鉄は「乗降人員」で公表されているため、下の数字は完全な横並び比較ではありません。各エリアの人の動きの大きさを見る参考として見てください。

区 代表的な駅 利用実績の参考
東区 香椎・千早 JR香椎 約14,531人/日、JR千早 約14,264人/日(乗車)
博多区 博多 JR博多 約125,462人/日(乗車)、地下鉄博多 約144,892人/日(乗降)
中央区 天神 地下鉄天神 約136,297人/日、西鉄福岡(天神)約128,754人/日(乗降)
南区 大橋 西鉄大橋 約43,453人/日(乗降)
城南区 福大前・別府 福大前 約15,820人/日、別府 約15,336人/日(地下鉄乗降)
早良区 西新 地下鉄西新 約45,515人/日(乗降)
西区 姪浜・九大学研都市 地下鉄姪浜 約50,335人/日(乗降)、JR九大学研都市 約9,464人/日(乗車)

博多と天神が圧倒的なのは想像通りですが、西新、大橋、姪浜もかなり人が動いています。

そして西区を見ると、九大学研都市駅のJR乗車人員は約9,500人。さらに今宿は約5,500人、周船寺も約5,000人います。姪浜だけではなく、その先に大きな生活圏ができているのが数字にも出ています。

東区|人口約34万人。福岡市で一番人口が多い区

東区は個人的に、福岡市7区の中でも数字を見ていてかなり面白い区です。

まず人口が約34万人。福岡市で一番多いです。中央区より10万人以上多い。

しかも東区は69.46km²と広く、香椎・千早、箱崎、和白、名島、アイランドシティ、海の中道、志賀島まで入っています。同じ「東区」でも街の雰囲気が全然違います。

香椎から千早へ中心が移った?

昔から東区の中心といえば香椎というイメージを持っている方は多いと思います。

ただ、現在の福岡市の位置づけでは、香椎だけ、千早だけではなく、「香椎・千早」を一体として東部広域拠点としています。

千早駅周辺にはマンションや商業施設が増え、街並みもかなり新しくなりました。一方で香椎は商店街や既存市街地を持つ昔からの中心地です。

「香椎から千早に完全に中心が移った」というより、僕は昔からの香椎と、新しく成長した千早が一つの大きな生活圏になったと見る方が実態に近いと思います。

そして次に面白いのが箱崎

東区でもう一つ見逃せないのが箱崎です。

九州大学箱崎キャンパス跡地では新しいまちづくりが進められていて、福岡市は多様な都市機能を誘導する新たな拠点として整備を進めています。さらに貝塚駅周辺でも土地区画整理事業が進んでいます。

つまり東区には、香椎・千早、アイランドシティ、箱崎・貝塚と、複数の成長ポイントがあります。

人口が多いだけではなく、これから街の形が変わる場所がいくつもある。東区を見るときはここが面白いです。

博多区|博多駅だけ見ていると、この区は分からない

博多区というと、ほとんどの人が最初に博多駅を思い浮かべると思います。

もちろん博多駅は圧倒的です。JRだけでも1日平均乗車人員約12.5万人。地下鉄の乗降人員も約14.5万人あります。

でも、博多区の人口は約26.4万人います。

つまり「博多駅で働く人の街」だけではなく、かなり大きな住宅エリアでもあります。

吉塚、千代、美野島、竹下、那珂、諸岡、板付、東月隈、雑餉隈方面まで行くと、博多駅前とは全然違う街になります。

博多区は北と南でかなり性格が違う

博多区北部には、博多駅、福岡空港、博多港、オフィス、ホテルなど福岡の交通・業務機能が集中しています。

一方、南へ行くほど住宅地としての性格が強くなります。竹下駅周辺には大型商業施設もあり、雑餉隈方面では西鉄の高架化や桜並木駅の開業など、交通環境も変わっています。

だから博多区の平均価格だけ見ても、実際の不動産価格は分かりにくいです。

博多駅徒歩圏のマンションと、区南部の住宅地を同じ「博多区」で比較すること自体に無理があります。

これが博多区を見るときの面白さです。

中央区|やっぱり強い。ただし「中央区なら全部同じ」ではない

中央区は、数字を見るとやっぱり強いです。

2026年の住宅地平均公示地価は1㎡あたり約59.31万円。2位の博多区約27.33万円、早良区約27.11万円に対して2倍以上あります。

中古マンションの掲載価格相場も約3,425万円で、7区では最も高い水準です。

天神ビッグバンなど都心部の再開発が続いていることに加えて、大名、赤坂、薬院、大濠、六本松、平尾など、住宅地として人気の高いエリアを複数持っています。

中央区の面白さは「狭いのに全部詰まっている」こと

中央区の面積は15.39km²しかありません。7区の中でもかなり小さいです。

そこに福岡最大の商業地である天神があり、オフィス街があり、大濠公園があり、高級住宅地があり、タワーマンションがあり、昔ながらの住宅地もあります。

土地そのものが少ないうえに、住みたい人、商売したい人、会社を置きたい人が同じ場所を取り合う。

地価が高くなりやすい理由を考えると、かなり分かりやすい区です。

ただし、同じ中央区でも天神・大名と、大濠・赤坂と、平尾・小笹では不動産の性格が違います。「中央区だから高い」で終わらせない方がいいと思います。

南区|人口は2番目。でも中古マンション相場は意外と低い

南区は今回の数字で、かなり面白い区です。

人口は約27.1万人。東区に次いで福岡市で2番目に多いです。

ところが中古マンションの掲載価格相場を見ると約1,896万円で、今回比較した7区では最も低い水準になっています。

もちろん、物件の築年数や広さが違うので「南区のマンションが単純に安い」という意味ではありません。それでも、人口の多さとマンション価格の数字に差があるのは面白いところです。

南区は「住む街」の性格がかなり強い

福岡市も南区を、昼間人口より夜間人口が多い「くらしのまち」としています。

大橋・高宮周辺には西鉄沿線のマンションや商業施設が集まっています。大橋駅は1日約4.3万人が利用する大きな駅です。

一方で、長丘、長住、若久、花畑、柏原、老司など、西鉄の駅から離れた住宅地もかなり広いです。

さらに南区は丘陵地を開発した場所が多く、坂が多いのも特徴です。

つまり南区は、大橋・高宮の駅近マンション市場と、バス・車を使う郊外型住宅地が一つの区に入っている。

だから平均価格が中央区などとは違った動きになりやすいんだと思います。

城南区|一番目立たない?でも「住む街」として見ると面白い

城南区は人口約13.4万人で、7区の中では最も人口が少ない区です。面積も15.99km²しかありません。

東区のような大型再開発、中央区のような都心、博多区のような巨大ターミナルがあるわけでもありません。

なのでニュースでは少し目立ちにくいです。

でも不動産として見ると、城南区はかなり「住宅地」に振った区です。

七隈線と大学が城南区の特徴

別府、茶山、金山、七隈、福大前など地下鉄七隈線が区を横断しています。

そして福岡大学、中村学園大学という大きな大学があります。福岡大学だけでも学生・教職員など大きな需要があります。

七隈線が博多駅まで延伸したことで、七隈線沿線から博多駅へ乗り換えなしで行けるようになったのも大きいです。

北側の別府は都心へのアクセスが良く、南へ行くほど戸建て住宅が増え、油山方面の自然も近くなります。

派手な再開発で一気に街が変わるというより、大学、地下鉄、既存住宅地という安定した需要を持つ区という見方が僕は面白いと思います。

早良区|福岡市で一番広い。でも人が住んでいる場所はかなり偏っている

早良区の面積は95.87km²。福岡市7区で一番広いです。

でも「早良区は土地がいっぱいあるから住宅もいっぱい建てられる」と考えると、少し違います。

早良区は南北にものすごく長く、南側には脊振山系や農地、山間部があります。

実際、早良区全体95.87km²のうち、入部出張所管内だけで75.81km²あります。つまり面積のかなり大きな部分を南部が占めています。

一方、人口やマンション、不動産価格は北側にかなり集中しています。

西新・藤崎・百道と南部では別の区くらい違う

西新駅は地下鉄で1日約4.6万人が利用します。

西新・藤崎・室見・百道周辺は、地下鉄空港線、商業施設、学校、シーサイドももちなどがあり、福岡市内でも住宅価格が高いエリアです。

だから早良区の中古マンション掲載価格相場は約3,196万円で、中央区に次ぐ水準になっています。

でも南へ行けば、野芥、賀茂、田村、入部、内野、脇山と街の性格がどんどん変わります。

「早良区」という平均値を一つ出しても、実際には北部と南部でかなり違う。

これほど区内格差が分かりやすい区も珍しいと思います。

西区|姪浜で終わりじゃない。街が西へ伸びている

西区は面積84.16km²で、早良区に次いで広い区です。

昔から福岡市西部の中心といえば姪浜というイメージがあります。実際、姪浜駅は地下鉄の乗降人員が1日約5万人あり、今でもかなり大きな住宅・交通拠点です。

ただ、西区で今見ておきたいのは姪浜より西です。

九大学研都市・今宿・周船寺方面が成長

九州大学伊都キャンパスへの移転をきっかけに、九大学研都市駅を中心として新しい住宅地が形成されました。

2024年度のJR乗車人員を見ると、九大学研都市駅は約9,464人/日。今宿駅は約5,483人/日、周船寺駅も約4,956人/日あります。

駅周辺にはマンション、戸建て、商業施設が増え、昔と比べると街の形そのものが大きく変わっています。

西区は福岡市中心部から外側へ向かって、姪浜 → 今宿 → 九大学研都市 → 周船寺と住宅圏が伸びているのが分かりやすい区です。

さらに西へ行けば糸島市につながります。不動産を見るときも、福岡市だけで完結するというより、糸島まで含めた生活圏として見ると面白いです。

福岡市7区を一言でまとめるとこうなる

区 僕ならこう見る
東区 人口最大。香椎・千早、アイランドシティ、箱崎と複数の成長軸がある
博多区 巨大ターミナルと住宅地が同居。北と南では不動産の性格が全然違う
中央区 土地の希少性と需要が別格。地価・中古マンションとも高い
南区 人口2位の「住む街」。大橋・高宮と郊外住宅地でかなり違う
城南区 コンパクトな住宅地。七隈線と大学需要が特徴
早良区 面積最大。でも都市部は北側に集中。西新・百道と南部では別物
西区 姪浜だけではない。九大学研都市・今宿・周船寺方面へ住宅地が成長

面白いのは「人口」「地価」「マンション価格」が同じ順位にならないこと

今回、数字を全部並べてみて一番面白いのはここです。

人口が多い順と、不動産価格が高い順はまったく同じではありません。

人口最大の東区より中央区の不動産価格が高い。人口2位の南区は中古マンション価格が比較的低い。早良区は人口では4番手ですが、中古マンション価格は中央区に次いで高い。

なぜそうなるのか。

その答えが、交通、土地の希少性、住宅地として使える面積、商業機能、学校、再開発、そして「そこに住みたい人がどれだけいるか」に出ています。

「福岡市のマンション価格が上がっている」だけでは、不動産のことはほとんど分かりません。
何区なのか。その区のどこなのか。どの駅を使うのか。これだけで価格も需要もかなり変わります。

そして「区」で見たあと、最後はもっと細かく見る

今回の記事では7区で比較しましたが、実際に不動産を買ったり売ったりするときは、区だけで判断することはありません。

例えば同じ東区でも千早と志賀島では全然違います。同じ早良区でも西新と脇山では違います。同じ西区でも姪浜と周船寺では、不動産を探している人も街の成長段階も違います。

中古マンションなら、そこからさらに築年数、駅距離、管理状態、修繕積立金、階数、向き、眺望、間取りまで見ます。

なので、「中央区だから上がる」「東区だから安い」「福岡市だから今買えば大丈夫」みたいな見方はしない方がいいと思います。

ただ、区ごとの人口、地価、駅利用者数、再開発を知っておくと、その物件がある街を理解する材料にはなります。

僕自身、不動産を見るときは物件そのものだけではなく、こういう街の数字を見るのがかなり好きです。

次回は、さらに細かく「福岡市のどのエリアで人口が増えているのか」「中古マンション価格が高い駅・安い駅はどこなのか」まで掘ってみても面白いと思います。

福岡市で不動産の購入・売却を検討している方へ
同じ福岡市でも、エリアによって不動産価格や需要はかなり違います。物件だけではなく、周辺相場や街の動きまで確認してご提案します。

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この記事で使用した主なデータ

人口:福岡市「推計人口(2026年3月1日現在)」
住宅地地価:福岡市「令和8年地価公示」
中古マンション価格:アットホーム「福岡市の中古マンション価格相場」
駅利用者数:福岡市地下鉄、JR九州、西日本鉄道公表データ

※中古マンション価格は実際の成約価格ではなく、アットホームに掲載された直近3ヶ月の物件情報をもとにした相場です。また、駅利用者数は鉄道会社により「乗車人員」「乗降人員」など集計方法が異なるため、単純比較はできません。地価公示は各区の標準地をもとにした平均値であり、個別の土地価格を示すものではありません。

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