CURATION
2026/10/01
住宅ローン金利は本当に高いのか?「フラット35が過去最高」のニュースを冷静に考える
2026年10月1日、「フラット35の金利が過去最高」というニュースが出ました。
返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の最低金利が3.830%。9月の3.460%から大きく上がったという内容です。
こういうニュースを見ると、「住宅ローンの金利が大変なことになっている」「もう家を買える時代ではない」と感じる人もいると思います。
でも僕は、こういう時こそ少し冷静に数字を見た方がいいと思っています。
「金利が上がった」というニュースだけを見ると怖くなる
最近は、住宅ローン金利の上昇によって返済が厳しくなった、住宅を売却することになった、というニュースも見かけるようになりました。
もちろん、実際に金利上昇の影響を受けている人はいますし、これからさらに金利が上がれば返済負担が増える人もいます。そこを軽く考えていいとは思っていません。
ただ、ニュースの見出しだけを見て「金利が上がったから住宅ローンが払えなくなった」と考えるのも違うと思います。
以前、僕が見たニュースでも、金利上昇によって返済が苦しくなり、家を売却したという内容がありました。
ところが、よくニュースを見ると、金利上昇によって増えた毎月の返済額は数千円程度でした。
僕がそこで思ったこと
本当に「金利が上がったこと」だけが、住宅を売らなければならなくなった原因なのだろうか、ということです。
もちろん、その方にはその方の事情がありますので、外からすべてを判断することはできません。
ただ、月々数千円の返済増だけで住宅ローンそのものが払えなくなる状態だったのであれば、金利が上がる前から借入額や家計に余裕がなかった可能性も考えた方がいいと思います。
フラット35が3.83%だから、日本の住宅ローンが全部3.83%になったわけではない
今回大きく報道されているのは、全期間固定金利の「フラット35」です。
ここは非常に重要です。
「フラット35が3.830%になった」というニュースだけを見ると、日本で住宅ローンを借りる人がみんな3%台後半で借りなければならないようにも見えます。
しかし、実際にはそうではありません。
住宅金融支援機構の調査では、2025年4月から9月までに住宅ローンを借りた人の75.0%が変動金利を利用しています。
| 金利タイプ | 利用割合 |
|---|---|
| 変動型 | 75.0% |
| 固定期間選択型 | 14.9% |
| 全期間固定型 | 10.1% |
これは全国の数字ですが、福岡で実際に住宅ローンの相談を受けている僕の感覚ともかなり近いです。
弊社では年間100件を超える不動産取引がありますが、その中でフラット35の全期間固定金利を選んだ方は、僕の把握している範囲では年間1~2件程度でした。
もちろん、これはRevoの取引実績の中での話であって、日本全体の割合を示す数字ではありません。
ただ、少なくとも僕たちが福岡の現場で住宅を購入するお客様を見ている限り、今でも圧倒的に変動金利を選択する方が多いというのが実感です。
福岡の主要銀行では、現在も1%台前半の住宅ローンがある
では、福岡で実際に住宅を購入する人が利用する住宅ローン金利はいくらなのか。
福岡の代表的な地方銀行で見てみます。
| 銀行 | 変動金利の例 |
|---|---|
| 福岡銀行 | 年1.375%~ |
| 西日本シティ銀行 | 年1.125%~1.275%~ |
福岡銀行のプレミアム住宅ローン特別金利では、2026年10月時点で融資手数料型の変動金利が年1.375%~となっています。
西日本シティ銀行も、NCB住宅ローンアドバンスが年1.275%~、条件を満たす「アドバンス~プレミア」では年1.125%~となっています。
もちろん誰でもこの最低金利が適用されるわけではありません。年収や勤務先、借入金額、自己資金、物件、審査結果などによって実際の金利は変わります。
それでも、「日本の住宅ローン金利が3%、4%になってしまった」という理解は正しくありません。
ネット銀行も含めれば選択肢はさらに広い
住宅ローンは福岡銀行や西日本シティ銀行だけではありません。
ネット銀行を含めれば、住宅ローン商品の選択肢はかなり増えています。
少し前まではネット銀行で1%を下回る変動金利も珍しくありませんでした。2026年に入り政策金利の上昇を受けてネット銀行の金利も上昇していますが、それでも銀行ごとの競争は続いています。
実際、住宅ローンは「どこの銀行でもほぼ同じ金利」という商品ではありません。
同じお客様でも銀行によって審査結果や金利条件が変わることがありますので、僕たちの仕事では1行だけを見て住宅ローンを判断することはありません。
世界と比べても、日本の住宅ローン金利はかなり低い
もう少し視点を広げて海外と比較すると、日本の住宅ローン金利がどれだけ低い水準にあるのかが分かりやすくなります。
例えばアメリカでは、2026年9月24日時点の30年固定住宅ローンの平均金利は7.03%です。
日本で「フラット35が3.83%になって過去最高」とニュースになっていますが、アメリカでは住宅ローン金利が7%前後という世界です。
隣の韓国でも、韓国銀行が公表した2026年8月の新規貸出平均金利は4.40%でした。商品区分や金利の決まり方が日本とは異なるため単純比較はできませんが、少なくとも日本の1%台の変動住宅ローンが世界的に見ても低い水準にあることは分かります。
「以前より金利が上がった」と「今の金利が世界的に見て高い」は、別の話です。
僕はここを混同しない方がいいと思っています。
さらに住宅ローンには「住宅ローン減税」がある
もう一つ、住宅ローン金利を考えるときに忘れてはいけないのが住宅ローン減税です。
2026年の制度では、一定の条件を満たす住宅について、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税などから控除できる制度があります。
住宅の性能や新築・中古によって借入限度額や控除期間は異なりますが、長期優良住宅やZEH水準省エネ住宅など、対象となる住宅では最大13年間の控除を受けられるケースがあります。
例えば、変動金利1%台前半で住宅ローンを借りて、住宅ローン減税を利用できる人であれば、税負担まで含めて考えると、実質的な住宅ローンの負担感はさらに小さくなる場合があります。
ただし、これは「住宅ローン金利から0.7%をそのまま引けばいい」という意味ではありません。
年末残高、住宅性能、所得税・住民税の納税額、借入限度額などによって実際に受けられる控除額は変わります。
それでも、住宅ローン金利だけを見て「1.3%だから高い」と判断するのではなく、住宅ローン減税も含めた実際の負担額を見ることが大切です。
「1%上がったら大変」も、実際の返済額で考えた方がいい
もちろん、一時期は0%台で借りられる住宅ローンも多くありました。
その頃と比較すれば、1%台の住宅ローンは確実に高くなっています。
では、金利が1%上がったらどうなるのか。
ここで見るべきなのは「1%も上がった」という数字ではなく、実際に毎月の返済額がいくら増えるかです。
借入残高がいくらなのか。残りの返済期間が何年なのか。現在の金利はいくらなのか。元利均等なのか元金均等なのか。
条件によって影響は全く違います。
また、銀行によっては変動金利に「5年ルール」や「125%ルール」があります。
福岡銀行でも、変動金利型は毎年4月1日と10月1日に金利を見直しますが、返済額については原則5年ごとに見直し、新しい返済額も前回返済額の1.25倍を上限とする仕組みがあります。
西日本シティ銀行にも同様に5年ごとの返済額見直しと1.25倍までのルールがあります。
ですから、「金利が0.25%上がったから来月から毎月の返済額も一気に上がる」と単純に考えることもできません。
フラット35を使う人には、それぞれ事情がある
もちろん僕は、フラット35が悪い住宅ローンだと言っているわけではありません。
フラット35は、借入時点で完済までの金利が決まります。将来どれだけ市場金利が上がっても返済額が変わらないという安心感があります。
また、僕が現場で融資を見ていると、最初から固定金利を希望する方もいますし、勤務形態や収入、団体信用生命保険、民間銀行の審査基準などの関係で、フラット35を検討する方もいます。
民間銀行の変動金利とフラット35では審査基準も商品性も違います。
ですから、どちらが正しいという話ではありません。
ただ、「フラット35の金利が3.83%になった=住宅ローンを借りる人全員が大変になった」というニュースの受け取り方は、実際の住宅購入の現場とはかなり違うと思います。
ニュースではなく「自分はいくらで借りられるのか」を見る
「フラット35が過去最高」
「住宅ローン金利上昇」
「金利上昇で住宅を売却」
こういう見出しはどうしても目に入ります。
でも住宅を買うかどうかを判断するとき、本当に見るべきなのはニュースの金利ではありません。
自分が実際に何%で住宅ローンを借りられるのか。
これが一番重要です。
福岡銀行なのか、西日本シティ銀行なのか、ネット銀行なのか。変動なのか固定なのか。住宅ローン減税をどのくらい受けられるのか。
そして金利が今後さらに1%上がった場合、自分の家計で問題なく返済できるのか。
「金利が上がったから家を買わない」ではなく、「金利が上がったら自分の返済額はいくらになるのか」を確認する。
僕は、それでいいと思っています。
確かに日本の住宅ローン金利は以前より上がっています。
ただし、福岡では現在も1%台前半の住宅ローンがあります。世界と比べれば依然として低い金利水準ですし、条件を満たせば住宅ローン減税もあります。
「金利上昇」という言葉だけで住宅購入を諦める必要はありません。
不安なのであれば、まずは自分がいくら借りられて、何%の金利になって、毎月いくら返済するのか。
そこを数字で確認してから判断すればいいと思います。
Revoでは、物件を紹介するだけではなく、福岡銀行、西日本シティ銀行をはじめとした金融機関への住宅ローン相談や資金計画についても一緒に考えています。
「自分の場合はいくら借りられる?」「今の金利で買って大丈夫?」という段階でも大丈夫です。
