CURATION
2025/02/21
天神の路面店賃料が過去最高を更新|ワンビル開業で福岡・天神はどう変わった?
福岡・天神の商業不動産市場で、路面店舗の賃料が高い水準まで上昇しています。
CBREが公表した「ジャパンリテールマーケットビュー 2024年第4四半期」によると、2024年10〜12月期は、調査対象10エリアのうち6エリアで平均賃料が前期から上昇しました。
特に天神では賃料水準がコロナ禍前を上回り、銀座、心斎橋、京都、神戸と並んで、コロナ禍前を超える水準となりました。
銀座だけでなく、天神でも路面店賃料が上昇
2024年第4四半期は、東京・銀座の平均賃料が1坪あたり月額28万円となり、前期比6.5%上昇しました。
銀座では5四半期ぶりに平均賃料が上昇し、プライム賃料も調査開始以来の最高値を更新しています。
一方、福岡では天神の上昇が目立ちました。
当時の調査では天神の平均賃料も上昇し、プライム賃料は調査開始以来の最高値を更新しています。
東京だけではなく、福岡・天神でも商業地の賃料が高い水準に入ってきたということです。
天神では空室の少なさも賃料上昇の要因に
CBREの調査では、2024年第4四半期時点で、調査対象9エリアのうち5エリアが空室率1%未満となっていました。
出店意欲が高い一方で、募集区画が少ない状況が続いています。
ラグジュアリーブランドだけでなく、時計・メガネ、アウトドア、スポーツ系の出店も見られ、商業エリア全体で店舗需要が続いていました。
天神でも、条件のいい路面区画は簡単には出てこない状況になっています。
天神ビッグバンで街そのものが変わっている
天神の賃料上昇を見るうえで外せないのが、天神ビッグバンです。
福岡市中心部では大型ビルの建て替えが続き、街そのものが大きく変わっています。
その象徴の一つが「ONE FUKUOKA BLDG.(ワン・フクオカ・ビルディング)」です。
ワンビルは地上19階、地下4階、延床面積約14万7,000㎡の大型複合施設で、2025年4月24日に開業しました。
ワンビルには商業・オフィス・ホテルが集まった
ワンビルの低層階には、ファッション、飲食、雑貨などの店舗が入り、国内最大級のシャネル直営店やナイキ、蔦屋書店なども出店しています。
8〜17階はオフィス、18〜19階にはホテルが入っています。
開業時点では120店舗を超えるテナントが入り、天神エリアでもかなり大きな集客施設になりました。
単に新しいビルが一棟できたというより、商業・オフィス・観光をまとめて街へ人を呼ぶ施設ができたという方が近いと思います。
オフィス部分も2026年には成約・内定率9割へ
この記事を最初に公開した2025年2月時点では、ワンビルのオフィス入居はまだ途中でした。
その後、テナント誘致は進み、2026年4月末時点ではオフィス部分の成約・内定率が9割に達したとされています。
天神エリアの大型ビルに企業が集まることで、昼間人口も増えます。
オフィスワーカーが増えれば、飲食、物販、サービス店舗への需要にも影響します。
商業不動産を見るときは、店舗だけではなく、周辺オフィスの稼働状況も重要です。
天神の賃料はその後も高い水準を維持
2024年第4四半期に天神の賃料が大きく上昇したあと、どうなったのか。
CBREの2025年第4四半期のレポートを見ると、天神の平均賃料はその後も過去最高水準を維持しています。
つまり、2025年初めの一時的な上昇だけで終わったわけではありません。
募集できる区画が限られる中で、出店を希望する企業が競合する状況は続いています。
天神の不動産を見るなら「住宅」だけでは分からない
福岡の不動産市場というと、マンション価格や住宅ローンの話が注目されがちです。
でも天神のような中心部では、店舗賃料やオフィスの稼働状況を見ると、街の勢いがかなり分かります。
大型再開発によって働く人、買い物に来る人、観光客が増えれば、商業不動産の需要にも影響します。
逆に、賃料が上がれば出店できる企業も限られてきます。
だから、
「天神ビッグバンで街がきれいになった」だけではなく、実際に店舗賃料やオフィス需要がどう動いているかを見ることが大事です。
2024年末から2025年にかけての天神を見る限り、商業地としての競争力はかなり高まっていると見ていいと思います。
今後もRevoでは、福岡・北九州の不動産市況や再開発について取り上げていきます。
