CURATION
2024/07/09
媒介契約3種類の違いをどう説明する?囲い込みまで伝える売却営業の実践トーク
こんにちは、Revoの安川です。
今回は、不動産の売却相談を受けたときに必ず出てくる「媒介契約」について、実際にお客様へどう説明するかという話です。
一般媒介、専任媒介、専属専任媒介。
宅建を勉強していれば違いは知っていると思います。でも、試験問題として答えられることと、お客様に分かりやすく説明できることは別です。
そして媒介契約を説明するなら、「囲い込み」の話も避けて通れません。
媒介契約には3種類ある
まず、不動産売却の媒介契約には大きく3種類あります。
一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約です。
難しく話す必要はありません。
僕だったら、まず、
「一番大きな違いは、何社に売却をお願いできるかです」
というところから説明します。
一般媒介契約は、複数の不動産会社へ同時に売却を依頼できます。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、原則として1社だけに依頼します。
まずはここからです。
一般媒介は複数社に依頼できる
一般媒介契約のメリットは、複数の不動産会社へ依頼できることです。
「A社にもB社にもC社にも売却活動をお願いしたい」
ということができます。
また、売主自身が買主を見つけて直接契約する自己発見取引も可能です。
一方、一般媒介契約では、専任媒介や専属専任媒介のような法律上の定期的な業務報告義務はありません。また、指定流通機構であるREINSへの登録についても、専任・専属専任とは義務の扱いが異なります。
ここは、
「一般媒介だからダメ」
という話ではありません。
複数社に依頼したい売主にとっては一般媒介が合うこともあります。
ただ、僕ら営業側としては、
「誰が中心になって販売戦略を考えるのか」
「各社からどのくらい情報が集まるのか」
というところまで含めて、お客様と相談した方がいいと思っています。
専任媒介は1社に任せる。ただし自己発見取引はできる
次が専任媒介契約です。
専任媒介では、基本的に売却を依頼できる宅建業者は1社です。
その代わり、不動産会社側にも義務があります。
専任媒介契約では、依頼者に対して2週間に1回以上、業務の処理状況を報告する必要があります。
また、媒介契約締結の翌日から7日以内にREINSへ物件を登録する必要があります。宅建業者の休業日は、この日数に含まれません。
そして専任媒介の場合、売主自身が買主を見つけた場合には、一定の条件のもと自己発見取引ができます。
例えば、
「親戚が買いたいと言ってきた」
「知人がこの家を買いたいと言っている」
というケースです。
ここが専属専任媒介との大きな違いです。
専属専任媒介は報告頻度も高く、自己発見取引はできない
専属専任媒介も、依頼できる宅建業者は基本的に1社です。
専任媒介との違いは、まず報告頻度です。
専属専任媒介では、1週間に1回以上の業務報告が必要です。
REINSへの登録期限も専任媒介より短く、媒介契約締結の翌日から5日以内です。こちらも宅建業者の休業日は除きます。
そしてもう一つ大きいのが、自己発見取引です。
専属専任媒介では、売主自身が買主を見つけても、原則として自分たちだけで売買契約を進めることはできません。
その分、売主と不動産会社がお互いに、
「この会社に売却を任せる」
という関係を強くして進める契約だと僕は説明しています。
Revoが大事にしているのは「どの契約を取るか」より、その後
僕は媒介契約の説明で、
「専属専任を取れたから勝ち」
みたいな考え方は違うと思っています。
もちろん、Revoとしてしっかり販売活動を任せていただけるのであれば、専属専任媒介を提案することはあります。
ただ、報告が楽だから専任にする、手数料を確保したいから専属専任にする、という営業側の都合で決めるものではありません。
最終的にどの媒介契約を選ぶかは売主です。
僕らは3種類の違いをちゃんと説明して、
「このお客様、この物件だったらどの形がいいのか」
を一緒に考える。
ここが大事です。
専任を取ってから「囲い込み」をしてはいけない
ここからが、今回かなり大事な話です。
専任媒介や専属専任媒介で物件を預かったからといって、
「自分の会社だけで買主も見つけたい」
と考えて、他社からの紹介を意図的に妨げる。
これが、いわゆる「囲い込み」と呼ばれる問題です。
例えば他社から、
「この物件、お客様をご案内できますか?」
と問い合わせがあったのに、本当は紹介できる状態なのに紹介を拒む。
他社には十分な物件情報を出さない。
購入申込みが入っていないのに、あたかも紹介できない状態であるかのような情報を登録する。
こうしたことをしてしまえば、困るのは売主です。
なぜ囲い込みが売主にとって問題なのか
不動産会社側からすると、自社で売主も買主も担当できれば、両方から媒介報酬を受け取れるケースがあります。
いわゆる両手仲介です。
両手仲介そのものが違法ということではありません。
問題なのは、両手にしたいから他社のお客様を意図的に排除することです。
例えば3,000万円で売却している物件があるとします。
A社のお客様は3,000万円で買いたい。
でも元付会社が、
「他社には紹介したくない」
と考えて、そのお客様を断ったとします。
その結果、自社のお客様から2,900万円の申込みが入り、そちらを売主へ持っていく。
これでは、売主にとって本当にいい売却活動をしているのかという話になります。
僕はここをかなり問題だと思っています。
2025年からREINSの取引状況登録が義務化された
この「囲い込み」を考えるうえで、2025年1月から大きな変更がありました。
REINSでは以前から、物件の状態を、
「公開中」
「書面による購入申込みあり」
「売主都合で一時紹介停止中」
といったステータスで管理する機能がありました。
2025年1月1日からは、宅建業者が物件の取引状況をREINSへ登録することが義務化されています。
さらに売主は、REINSの売主専用画面から、自分の物件がどのような状態で登録されているかを確認できます。
登録証明書には専用画面へアクセスしやすい二次元コードも掲載されるようになりました。
これはエージェント側も絶対に知っておいた方がいいです。
売主にもREINSを確認してもらう
僕だったら、専任媒介・専属専任媒介をいただいたときに、
「REINSに登録しました」
だけでは終わらせません。
「こちらが登録証明書です。売主様自身でも現在の登録状況を確認できます」
まで説明した方がいいと思っています。
透明性を高めるためです。
僕らが正しくやっていますと言うだけではなく、お客様自身でも確認できる状態にする。
その方がいいですよね。
「他社に売らせない」より「他社にも売ってもらう」
僕は、売却を任せてもらったら、
「他社に売らせない」
とは考えません。
むしろ、
「他社にもどんどん紹介してもらった方がいい」
と思っています。
売主からすれば、どこの不動産会社のお客様が買ってもいいわけです。
高く、早く、できるだけいい条件で売却できる可能性を広げる。
そのために不動産会社同士で情報を共有する仕組みがREINSです。
自分たちだけで囲って、売却のチャンスを減らしてしまったら意味がありません。
僕が不動産エージェントという働き方を選んだ理由にもつながる
僕自身、以前は会社員として不動産会社で営業していました。
その中で、
「会社の今月の数字」
「自分の今月の数字」
を優先しすぎると、お客様と営業マンの利益がズレることがあると感じたことがあります。
だから僕は、独立自営という考え方の不動産エージェントという仕事をやっています。
エージェントは、目の前の1件だけで終わる商売ではありません。
そのお客様からもう一度相談してもらえるか。
友人や家族を紹介してもらえるか。
5年後、10年後にも、
「またあの人に頼みたい」
と思ってもらえるか。
僕はそっちの方が大事だと思っています。
囲い込みをして、一瞬の売上を取りにいって、お客様や紹介者からの信頼を失ったら、自分で自分の事業を壊しているようなものです。
媒介契約の説明は「契約を取るため」だけにしない
一般媒介。
専任媒介。
専属専任媒介。
営業マンだったら、
「どう説明したら専任を取れるか」
を考えることもあると思います。
もちろん媒介を任せてもらうのは大事です。
でも、そのために一般媒介を必要以上に悪く言ったり、専属専任だけが正解のように言ったりする必要はありません。
それぞれの違いをきちんと説明する。
そのうえで、自分たちは預かった物件をどう売るのか。
REINSへどう登録するのか。
他社から問い合わせが来たらどう対応するのか。
何を売主へ報告するのか。
契約を取った後の仕事まで説明できるエージェントの方が、僕は強いと思っています。
媒介契約書にサインをもらうことがゴールではありません。
そこからが売却活動のスタートです。
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