CURATION
2025/07/12
不動産の買い替えでトラブルを防ぐには?3つの進め方とオープンハウス活用術
今回のRevo社内研修では、不動産売買における「買い替え」と「オープンハウス」について学びました。
買い替え案件は、普通の売却や購入とは少し違います。
今住んでいる家を売る。
次の家を買う。
住宅ローンを返す。
新しい住宅ローンを組む。
引っ越す。
これを全部つなげなければいけません。
特に難しいのが、「お金」と「引渡し」のタイミングです。
そしてオープンハウスも、単純に「その物件を売るためだけのイベント」ではありません。
今回の研修では、実際のトラブル事例も含めて、かなり実務的な話がありました。
買い替えには3つの進め方がある
住宅の買い替えは、大きく3つに分けて考えられます。
売却先行型
今住んでいる家を先に売却して、その売却金額が確定してから次の物件を購入する方法です。
一番のメリットは、資金計画を立てやすいこと。
いくらで売れたのか。
住宅ローンの残債はいくらなのか。
手元にいくら残るのか。
これが分かった状態で次の購入に進めます。
研修でも、資金面では売却先行型が安全性の高い方法として説明されています。
一方で、売却したあとに次の家が決まっていなければ、仮住まいが必要になる可能性があります。
また、
「この物件を買いたい」
と思っても、売却している間に他の人に買われてしまうこともあります。
購入先行型
次に住みたい物件を先に購入して、その後に現在の家を売却する方法です。
気に入った物件を逃しにくいですし、先に新居へ移れるので、仮住まいを避けられる可能性があります。
ただし、ここには大きなリスクがあります。
今の家が予定どおり売れるとは限りません。
住宅ローンが残っている場合には、新しい家の支払いと重なり、二重返済になる可能性もあります。研修でも、購入先行型では売却を急ぐことになり、結果として価格面でも不利になりやすいという説明がありました。
同時進行型
売却と購入を同時に進める方法です。
理想的に進めば、
売却する。
残代金を受け取る。
住宅ローンを完済する。
次の物件を購入する。
そのまま引っ越す。
という流れができます。
仮住まいも避けやすいです。
ただ、実際にはこれが一番タイミング調整が難しい。
売主だけでなく、
- 今の家を買ってくれる買主
- 次に買う家の売主
- 金融機関
- 司法書士
- 仲介会社
それぞれのスケジュールを合わせる必要があります。
理想的ではあるけれど、進行管理が非常に重要な買い替え方法です。
不動産は「お金を払ってから鍵をもらう」が原則
買い替えで意外とお客様に伝わっていないのが、引渡しの仕組みです。
基本的には、残代金を支払い、所有権移転の手続きをして、鍵を受け取ります。
ところが売主からすると、
「今住んでいる家を売ったお金が入らないと、次の家の代金を払えない」
ということがあります。
ここが買い替えの難しいところです。
研修では一つの方法として、売買契約の段階で引渡し猶予を特約として設定するケースも紹介されました。
例えば残代金の支払いと所有権移転は行うものの、実際の明渡しについて数日程度の猶予を設ける、といった方法です。
もちろん、これは売主だけで勝手に決めることはできません。
契約前から買主側と条件をすり合わせておくことが重要です。
契約が終わったあとで、
「実は一週間住ませてください」
では、話が全然違います。
「この金額で売れると思っていた」が大きなトラブルになる
今回の研修で印象的だったのが、実際の買い替えトラブルです。
購入する物件を先に決めたお客様が、
「今住んでいる家は、このくらいの価格で売れる」
と思って購入を進めました。
ところが実際には、その価格ではなかなか売れない。
結果、約1年間売却できず、大きなトラブルになったという話がありました。
これ、不動産エージェント側もかなり注意しないといけません。
お客様からすれば、
「売れるって言われたから買った」
となります。
だから買い替え相談を受けたときには、
- 住宅ローン残債
- 現実的な査定価格
- 希望する売出価格
- 売却期間
- 売れなかった場合の選択肢
まで説明しておく必要があります。
「たぶん売れるでしょう」で購入を進めるのが一番危ない。
査定価格と売出価格は別物
研修でも繰り返し出てきたのが、
「査定価格と売出価格は違う」
という話です。
査定価格は、市場や過去の成約事例などをもとに、「現実的にどの程度で売却できそうか」を考えるものです。
一方で売出価格は、売主の希望や販売戦略も含めて決めます。
例えば売却先行型で時間に余裕があるなら、査定価格より少し高いところから販売をスタートして反応を見る、という選択肢もあります。
ただし、
媒介契約を取りたいから査定価格そのものを高くする
のは別の話です。
査定と売出価格を混ぜてしまうと、あとで価格交渉するときにも説明が難しくなります。
オープンハウスは「その物件を売るだけ」ではない
ここからがオープンハウスの話です。
一般的には、
「オープンハウス=その物件を成約するために開催する」
と考えると思います。
もちろんそれが第一目的です。
でも研修では、もっと広く考えていました。
オープンハウスに来た人が、その物件を買わなくてもいい。
例えば、
「この間取りは違う」
「もう少し価格を下げたい」
「同じ学区で探している」
「同じマンションなら別の部屋がいい」
というお客様だったとします。
その人の条件を聞いて、別の物件を紹介すればいい。
研修でも、オープンハウスでそのエリアの「ホット客」を見つけ、類似物件の成約につなげる考え方が話されています。
目標は「1件の成約」だけではない
僕はこの考え方はかなり重要だと思います。
オープンハウスを一日やって、その物件が売れなかった。
だから、
「今日のオープンハウスは失敗だった」
ではありません。
例えば、
- そのエリアで探している買主候補が3組見つかった
- 別物件を紹介できた
- 同じマンションの売却相談が出た
- 近隣住民から紹介が出た
となれば、営業としては全然違います。
研修では、開催物件の成約だけでなく、そのエリアの購入客を最低3組見つけ、できれば周辺の売却案件まで取得するという考え方も紹介されました。
1回のオープンハウスから、次の案件につなげていく。
これが大事です。
オープンハウスは近隣への告知が重要
不動産では、意外と近くに買主がいます。
同じマンションに賃貸で住んでいる人。
同じ学校区で探している家族。
近くに住んでいる親を呼びたい人。
子ども夫婦を近くに住ませたい人。
親戚や知人に紹介したい人。
研修でも、**近隣へのチラシ配布は「鉄則」**という話が出ています。
特にマンションの場合は、同じマンション内にも買主候補がいる可能性があります。
「同じ建物なのに?」
と思うかもしれません。
でも賃貸で住んでいる人なら、
「このマンションが気に入っているから買いたい」
ということもあります。
だからオープンハウスは、ネット掲載だけして待つのではなく、周辺へどう告知するかまで考えます。
売主から「住んでいる人しか知らないこと」を聞いておく
物件を案内する前に、売主からセールスポイントを聞いておくことも重要です。
例えば、
「ここは注文してこう作った」
「この時間帯の日当たりがすごくいい」
「近くに使いやすいスーパーがある」
「図書館が近い」
「この公園は子どもを遊ばせやすい」
などです。
図面を見れば分かることだけではありません。
実際に住んでいた人しか知らない情報があります。
研修では、こうした売主からの申し送りを「リビングメッセージ」と表現していました。
これはそのまま営業トークになります。
当日は「たたき台の資金計画」を用意しておく
オープンハウスに来たお客様から、
「この家を買ったら、月いくらくらいですか?」
と聞かれることがあります。
そこで、
「銀行に聞いてみないと分かりません」
だけでは弱い。
研修では、あらかじめ簡単な資金計画書を用意しておくという話がありました。
そして、お客様の自己資金や年収、借入状況などを確認したうえで、個別の資金計画に進んでいきます。
ここで大事なのは、住宅ローンの返済額だけを見せないことです。
マンションなら、
- 管理費
- 修繕積立金
- 駐車場代
があります。
さらに固定資産税や火災保険などもあります。
「ローン月8万円だから、家賃8万円と同じですよ」だけでは、本当の資金計画になりません。
お客様が実際に住宅を所有したときにかかる費用まで含めて説明する必要があります。
オープンハウス当日までに準備するもの
研修内容を整理すると、最低限準備しておきたいのは、
- 物件資料・間取り図
- 地図と周辺情報
- セールスポイント
- 簡易的な資金計画書
- 購入申込書
- 来場者アンケート
- 周辺の類似物件情報
このあたりです。
特に類似物件情報は重要です。
目の前の物件を気に入らなかった瞬間に、
「じゃあ、近くにこんな物件がありますよ」
と出せるかどうか。
オープンハウスの準備とは、その物件だけを勉強することではありません。
周辺物件や成約事例まで見ておく必要があります。
買い替えもオープンハウスも「事前準備」がほとんど
今回の研修を通して共通していたのは、結局ここだと思います。
買い替えであれば、
売却価格はいくらか。
残債はいくらか。
次はどこに住むのか。
いつ引き渡せるのか。
ローンはどうするのか。
これを先に整理する。
オープンハウスなら、
誰に来てもらうのか。
その人に何を見せるのか。
この物件が合わなかったときに何を紹介するのか。
周辺にどんな買主・売主候補がいるのか。
ここまで考えて準備する。
当日の営業力だけで何とかしようとしない。
不動産売買は、事前にどこまで想定して準備したかでかなり変わります。
Revoでは、不動産エージェント・不動産営業マン向けに、こうした実際の売買現場で使える研修を行っています。
今回のような実務研修を学びたい方は、オープンチャット「不動産エージェント研修(Revo)」にご参加ください。
