CURATION
2024/07/06
賃貸研修/物件提案/初期対応/接客/クロージング/南AG
Revoでは、不動産エージェント・不動産営業マン向けに、実際の現場で使っている営業方法や実務について研修を行っています。
今回は、Revoで実際に賃貸仲介を行っているエージェントによる賃貸営業研修です。テーマは、反響や紹介を受けてからの物件検索、初回の物件提案、提案後のフォロー、来店時のヒアリング、内覧、そしてクロージングまで。単なる「賃貸営業の基本」ではなく、実際にどうやってお客様とやり取りしているのかまで踏み込んだ内容でした。
賃貸営業というと、「お客様の条件を聞いて、物件を検索して、案内する仕事」と思われがちです。しかし今は、お客様自身がポータルサイトで大量の物件を見ることができます。同じ物件を検索してURLを送るだけなら、不動産営業マンが間に入る意味はかなり薄くなっています。
では、賃貸営業マンは何をするのか。
今回の研修では、そこをかなり具体的に掘り下げました。
今回の研修で扱った主な流れ
反響・紹介 → 物件検索 → 初回提案 → 反応確認 → 来店 → ヒアリング → 内覧 → クロージング → 申込
賃貸営業は「物件を探すところ」から差が出る
お客様から部屋探しの依頼を受けたら、まず物件を探します。ここは賃貸営業であれば誰でもやる仕事ですが、研修で最初に話題になったのは、「どこで物件を探しているか」でした。
業者間で利用するサイト、ふれんず、管理会社ごとの専用サイトなど、賃貸物件の情報源は一つではありません。あるサイトには掲載されているけれど、別のサイトには載っていないということもありますし、管理会社独自のサイトでしか詳しい募集情報を確認できないケースもあります。
そのため、Revoの賃貸エージェントは一つの検索サイトだけを見て終わるのではなく、必要に応じて複数の情報源を確認しています。
| 確認先 | 見る理由 |
|---|---|
| 業者向け物件検索サイト | 広く募集物件を探す |
| ふれんずなどの物件情報 | 地域の募集状況を確認する |
| 管理会社独自のサイト | 他サイトに出ていない募集情報や詳細条件を確認する |
| 過去の成約事例・過去の募集 | 現在空いていなくても、エリアの相場や今後狙える物件を把握する |
便利な検索システムを使えば、かなり効率よく物件を探せます。ただ、研修担当のエージェントは、便利なシステムに依存しすぎることについても話していました。
全部システムが探してくれる状態になると、「この管理会社はどのエリアに強いのか」「このシリーズはどこが管理しているのか」「この間取り図はどこの管理会社が作っているのか」といった知識が頭に残りにくくなります。
だから、管理会社ごとのサイトを自分でブックマークして、実際に何度も探す。そうすると、地名、外観、間取り図、家賃帯などを見ただけで、「たぶんこの管理会社だな」とある程度分かるようになります。
賃貸営業で物件を覚えるというのは、物件名を暗記することではありません。「どこに情報があるのか」を覚えていくことでもあります。
お客様から送られてきた物件をどう探すか
実際の営業では、お客様から「この物件が気になっています」と、SUUMOやHOME’SなどのURL、スクリーンショットだけが送られてくることもあります。
ところが、そこから管理会社がすぐに分からないケースもあります。
研修では、物件名だけではなく、住所、地名、外観、間取り図、募集条件、月額サービスの名称などを見ながら管理会社を推測し、それでも分からなければ住所を調べてGoogleマップやストリートビューを見るという実際の探し方まで話がありました。
最初は時間がかかります。ただ、何度もやっていくと検索速度は上がります。
「見つからなかったので紹介できません」で終わるのか、それとも情報をつなぎ合わせて管理会社までたどり着くのか。こういうところも賃貸営業の実務力です。
物件提案はURLを送るだけでは弱い
次に物件提案です。
賃貸営業でよくあるのが、物件URLを3件、5件、10件とLINEで送って、「気になる物件があったら教えてください」で終わる提案です。
もちろん、それで決まるお客様もいます。しかし研修担当のエージェントは、URLだけを送る方法について、「かなり雑に見えることがある」と話していました。
お客様側からすると、送られてきたURLを一件ずつ開いて、またLINEに戻って、どの物件だったかを確認しなければいけません。
そこで、物件を提案する際には、最低限次の情報を整理して送ります。
物件提案LINEの基本形
① ○○マンション 201号室
福岡市博多区○○1-2-3
家賃:○万円
退去予定:○月○日
https://example.com/
一言コメント:ご希望の駅距離と家賃のバランスが一番近い物件です。
物件には番号を振っておくと、お客様も「1番と3番が気になります」と返しやすくなります。
号室まで書いておけば、同じマンションの別部屋と混同することも減ります。退去予定日や内覧可能時期が分かっているなら、それも最初から書いておけば余計なラリーを減らせます。
一つひとつやると、正直面倒です。
でも研修でも、「面倒だけど、一個一個丁寧にやる」という話が出ていました。
| 弱くなりやすい提案 | 伝わりやすい提案 |
|---|---|
| URLだけを複数送る | 物件名・号室・住所・URLを整理する |
| 「どうですか?」だけ | なぜ提案したのか一言添える |
| 空いている物件を大量に送る | お客様の好みを確認できる物件に絞る |
| 送った後は返信待ち | 提案後に電話・LINEでもう一度ヒアリングする |
「今空いている物件」だけが提案材料ではない
今回の研修で面白かったのが、すでに申込みが入っている物件や過去の成約事例についての考え方です。
もちろん、申込みが入っている物件を「今契約できます」と案内してはいけません。
ただし、
「これは現在申込みが入っていますが、こういうタイプの物件は好きですか?」
「このエリアでは過去にこのくらいの条件の部屋が出ています」
という形で、お客様の好みを確認する材料にはできます。
なぜそれをするのか。
今市場に残っている物件だけを見せると、お客様の希望に刺さる物件が一件もないことがあります。その状態で微妙な物件だけを送り続けると、「この不動産会社にはいい物件がない」と思われる可能性があります。
一方で、過去の成約事例なども見せながら、
「これが出たらかなり条件に近いですよね」
と確認できれば、お客様の好みが分かります。
最初の物件提案は、必ずしもその場で契約を取るためだけのものではありません。お客様の好みを分析するための提案でもあります。
2〜3件送ったあとに、もう一度電話する
物件を提案したら、返信を待つ。
これもよくある営業方法ですが、今回の研修ではその後のフォローをかなり重視していました。
実際、3日、4日とLINEで物件を送り続けているうちに返信が止まり、後で確認すると「他社で決めました」と言われることはあります。
だから、2〜3件ほど物件を送った段階で一度電話を入れる。
例えばこんな確認です。
「先ほど送った物件、どうでした?」
「僕は2番と4番が条件に近いと思ったんですけど、どれが一番良かったですか?」
「もう少し広さを優先した方がよさそうですか?」
こう聞くと、お客様は何か答えます。
「2番はいいけど駅から遠い」
「4番くらいの築年数がいい」
「思ったより初期費用が高い」
その回答が、次のヒアリングになります。
反響を取った後、最初の条件を一度聞いただけで、その条件を最後まで固定して物件を送り続ける必要はありません。物件を実際に見せることで、お客様自身の希望も変わってきます。
そこで条件を更新していく。
そして、ある程度話が進んだところで来店やオンライン相談につなげます。
物件を送ることが営業のゴールではなく、次の会話を作るために物件を使う。
ここは今回の研修でかなり重要だった部分です。
賃貸営業の基本フロー
↓
初回ヒアリング
↓
2〜3件を物件提案
↓
電話・LINEで反応確認
↓
条件を再整理
↓
来店・オンライン相談
↓
内覧
↓
クロージング・申込
初期費用の見積もりは「だいたい」で出さない
賃貸では、物件そのものと同じくらい初期費用も重要です。
家賃、共益費、敷金、礼金だけではありません。保証会社の初回保証料、火災保険、鍵交換費用、各種サポート費用、月額保証料、口座振替手数料など、管理会社や物件によって条件が違います。
研修の中でも、「自分で作った見積もりと管理会社から届いた正式見積もりが少しずれる」という質問が出ました。
これについては、結局、分からない項目を一つずつ確認していくしかありません。
| 確認項目 | 注意点 |
|---|---|
| 保証会社 | 何を基準に初回保証料を計算するのか確認する |
| 火災保険 | 指定の有無、期間、金額を確認する |
| 鍵交換費用 | 必須なのか、金額はいくらなのか確認する |
| 月額費用 | 安心サポート、町費、保証料、口座振替料などを確認する |
| 短期解約違約金 | 契約期間や違約条件を確認する |
| 退去時費用 | 契約時に定額負担等がある場合は事前に確認する |
慣れてくると、管理会社ごとの傾向はある程度分かるようになります。
ただ、「いつもこの会社はこうだから」で勝手に計算しないことです。募集条件は変わることがありますし、同じ管理会社でも物件ごとに条件が違うことがあります。
特に初期費用は、お客様がお金を用意するための大事な情報です。
数千円程度の差と、数万円単位の差では意味が違います。
分からないなら管理会社に確認する。これが一番確実です。
来店したら、すぐ物件検索を始めない
来店してもらった後は、すぐパソコンを開いて物件を探したくなります。
でも、その前にやるのがヒアリングです。
研修担当のエージェントは、紹介のお客様であっても、基本的には来店時にお客様カードを書いてもらうという話をしていました。
すでにLINEで条件を聞いていたとしても、改めて話すことで別の情報が出てくることがあります。
ただし、お客様カードを上から順番に読み上げて、
「勤務地は?」
「年収は?」
「間取りは?」
「希望エリアは?」
と聞くだけでは尋問みたいになります。
会話をしながら聞く。
そして、研修でかなり印象的だったのが、ちゃんとメモを取ることです。
営業側からすると単なるメモかもしれません。
でも、お客様から見ると、自分が話していることを相手が一生懸命書いている。
それだけでも、「ちゃんと聞いてくれている」という印象になります。
営業トークを上手くする前に、相手の話をちゃんと聞く姿勢を見せる。
地味ですが大事なところです。
エリアの相場を最初に共有する
ヒアリングで特に重要なのがエリアです。
お客様から、
「博多駅徒歩5分、新築、1LDK、家賃7万円くらいで」
と言われたとして、その条件が市場相場とかけ離れているなら、そのまま探し続けてもなかなか出ません。
そこで、営業側が最初にエリアの相場感を話します。
「このエリアならこの家賃帯です」
「この予算なら駅距離を少し伸ばす必要があります」
「広さを優先するなら、こちらのエリアの方が探しやすいです」
という話です。
ここをしないまま、お客様から「じゃあ箱崎は?」「西新は?」「姪浜は?」と言われるたびに探すエリアを変えていると、営業側もお客様側も疲れます。
営業マンがお客様の希望する場所をただ案内して回る「案内係」にならないためにも、最初の相場説明は重要です。
条件を全部叶えようとせず、優先順位を決める
条件を聞いていくと、多くのお客様からいろいろな希望が出ます。
駅近、新築、広い、安い、オートロック、浴室乾燥、追い焚き、2口コンロ、独立洗面台、宅配ボックス。
全部叶う物件が予算内にあれば簡単です。
でも、そうではないケースの方が多い。
そこで優先順位をつけます。
例えば、この3つなら何を優先しますか?
- 家賃を抑える
- 立地を優先する
- 部屋の広さ・設備を優先する
「何を優先しますか?」と完全な自由回答にすると、お客様自身も答えにくいことがあります。
そこで選択肢をある程度整理してあげる。
そして大事なのは、営業マンが勝手に優先順位を決めるのではなく、お客様自身に言ってもらうことです。
「私は立地を優先します」
「家賃が一番重要です」
と本人が言う。
その後、物件を比較した時にも、最初に決めた軸に戻れます。
内覧はたくさん行けばいいわけではない
来店後は、物件を絞って内覧へ行きます。
今回の研修では、一組のお客様に対して、来店から申込までの時間配分についてもかなり具体的に話していました。
| 場面 | 目安 | 目的 |
|---|---|---|
| カウンター接客 | 約1時間 | 希望条件・相場・優先順位を整理 |
| 内覧・移動 | 約1時間 | 比較できる物件を実際に確認 |
| 帰店・クロージング | 約1時間 | 比較して申込判断を整理 |
もちろん毎回3時間ぴったりで終わるわけではありません。
ただ、何も考えず5時間、6時間と接客を続けるのではなく、自分の中である程度ペースを作っておく。
研修では、内覧する物件についても、原則3件程度という話がありました。
10件見せれば決まりやすくなるとは限りません。
むしろ10件見ると、お客様も疲れます。
「3件目のキッチンどうだった?」
「6件目ってどの部屋だっけ?」
と混乱します。
ヒアリングで条件を絞れているなら、本当に比較する意味がある3件を見せればいい。
だからこそ、内覧件数を増やす前に、カウンター接客の精度を上げる必要があります。
案内する順番まで考える
今回の研修では、どの物件を案内するかだけではなく、どの順番で見せるのかという話も出ました。
例えば、お客様の希望が「家賃8万円以内、広さ重視、駅距離はある程度妥協できる」だとします。
家賃は安い。ただし少し狭い。
広い。ただし予算が少し上がる。
広さ・家賃・立地のバランスが一番希望に近い。
こうすると、それぞれの違いを比較できます。
ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、悪い物件をわざと先に見せて最後の物件に誘導することではありません。
全部、お客様の条件に対して提案できる物件であることが前提です。
そのうえで「この物件は安い代わりにここが弱い」「こちらは高いけれどここが良い」と違いを見せる。
物件案内は、単に鍵を開けて部屋を見せる仕事ではありません。
比較しやすい状態を作るところまでが営業です。
クロージングで詰めすぎない
内覧が終わり、お客様もかなり気に入っている。
ここまで来ると営業マン側は決めたくなります。
そこで、
「今日決めないとなくなります」
「すぐ別の人に取られます」
「この物件なら絶対申し込んだ方がいいですよ」
と一気に詰める。
でも今回の研修では、ここで詰めすぎないという話がかなり強く出ていました。
服屋に行って、自分で服を見たいのに店員さんから横でずっと「これ買った方がいいですよ」と言われたら嫌な人も多いと思います。
家電でも同じです。
不動産も、お客様自身が選びたい。
もちろん、本当に申込みが入りやすい物件なら「現在問い合わせが多い」「申込みが入る可能性がある」という事実は伝えます。
しかし、不安を煽って決めさせるのとは違います。
営業マンが「ここにしましょう」と言うのではなく、
お客様から「ここにします」と言ってもらう。
そのために帰店してから、もう一度整理します。
「今日見た3件の中なら、どれが一番良かったですか?」
「最初に立地を優先すると言っていましたが、その基準で考えるとどうですか?」
「1件目と3件目ならどちらですか?」
営業側が答えを決めるのではなく、お客様自身に比較してもらいます。
これが今回の研修で話していたクロージングです。
賃貸営業は「案内係」になったら弱い
今回の研修で、一番外向けにも伝えたいと思ったのがこの話です。
賃貸営業マンが案内係になりすぎている。
今は、お客様の方がかなり物件を見ています。
SUUMO、HOME’S、SNS、Google検索。来店する前に何十件も見ている人もいます。
そのお客様から、
「この物件を見たいです」
と言われる。
営業マンがその物件の空室確認だけして、鍵を取りに行って、車で案内する。
それだけなら、営業マンの価値はどこにあるのかという話になります。
本来やるべきなのは、
- その希望条件が相場に合っているか説明する
- 本当にそのエリアでいいのか整理する
- お客様が気付いていない別の選択肢を出す
- 現在の募集だけでなく、今後出そうな物件も考える
- 初期費用まで含めて比較する
- メリットだけではなくデメリットも伝える
という仕事です。
お客様から言われた物件を見せるだけではなく、プロとして「こういう探し方もありますよ」と出せるか。
ここが重要です。
営業の型は必要。でも全員同じ営業マンになる必要はない
研修の最後には、営業スタイルの話もありました。
今回研修を担当したエージェントは、比較的、効率や時間配分を考えながら営業を組み立てるタイプです。
一方で、お客様と長く話して、かなり深く関係を作り、そこから紹介を増やしていくタイプの営業マンもいます。
どちらが正解という話ではありません。
研修でも、お客様と仲良くなれること自体が強みなのであれば、それを無理に消す必要はないという話が出ました。
クロージングが強い人。
ヒアリングが得意な人。
紹介をもらうのが得意な人。
物件知識がものすごく強い人。
SNSから集客できる人。
それぞれ違います。
研修で型を学ぶ目的は、全員を同じ営業マンにすることではありません。
最低限の型を覚えた上で、自分の強みを乗せる。
それがエージェントとしては大事だと思います。
今回の賃貸研修で押さえておきたいポイント
| 場面 | ポイント |
|---|---|
| 物件検索 | 一つのサイトだけでなく、管理会社ごとの情報源まで確認する |
| 物件提案 | URLだけではなく、物件名・号室・住所・コメントまで整理する |
| 提案後 | 2〜3件送ったら、電話などで改めて感想を聞く |
| 初期費用 | 分からない項目を勝手に計算せず、管理会社へ確認する |
| 来店 | エリア相場を伝え、希望条件の優先順位を整理する |
| 内覧 | むやみに件数を増やさず、比較しやすい3件程度に絞る |
| クロージング | 無理に押し込まず、お客様自身が決められる状態を作る |
どれも派手なテクニックではありません。
ただ、物件を一件ずつ丁寧に調べる。LINEを送りっぱなしにしない。お客様の話をメモする。優先順位を整理する。案内する意味のある物件を絞る。最後はお客様自身に選んでもらう。
こういう地味な積み重ねが、結局は賃貸営業の強さにつながります。
「物件をたくさん知っている」だけでも足りませんし、「話が上手い」だけでも足りません。
お客様にとって、自分が間に入る意味を作れるか。
今回の研修をまとめると、そこに尽きると思います。
Revoでは不動産実務研修を発信しています
Revoでは、不動産エージェント・不動産営業マン向けに、今回のような現場で実際に使える実務研修を行っています。
売買、賃貸、営業、集客、不動産投資などの研修に加えて、リアルタイム研修の開催や過去研修動画の公開、実務についての相談なども行っています。
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