CURATION
2025/03/11
海外のお客様との不動産取引で僕が失敗したこと5選|仲介手数料・利回り・手付金の注意点
こんにちは、Revoの安川です。
今回は、不動産エージェントが海外のお客様との取引で失敗しやすいことを、僕自身の経験から5つ紹介します。
海外のお客様との取引をやっていると、日本人のお客様との取引では「普通に伝わるだろう」と思っていたことが、まったく伝わらないことがあります。
僕自身、実際にやらかしています(笑)。
相手に悪気があるというより、日本と海外で不動産取引の仕組みや商習慣が違うんです。だから「日本では普通だから分かるだろう」と思わず、最初から説明しておいた方がいいです。
1.仲介手数料は最初に説明する
まず一つ目は、仲介手数料です。
僕ら不動産仲介会社は仲介手数料で仕事をしていますから、ここで認識がズレると後からかなり揉めます。
海外のお客様から、
「え、なんで僕が仲介手数料を払うの?」
と言われることがあります。
国や地域によって、不動産エージェントの報酬の支払方法や商習慣が日本とは違います。そのため、海外で不動産を買った経験がある人ほど、「買主である自分が直接払う」という認識を持っていない場合があります。
だから僕は、物件を決めて契約するときではなく、最初の段階で仲介手数料について説明しておくべきだと思っています。
「今回、僕らは買主側の仲介として入ります。成約した場合の仲介手数料はこの金額です」
ここを明確にしておく。
できれば買主との媒介契約など、書面でも確認しておいた方がいいです。
日本でも、買主だから自動的に一定の仲介手数料を払わなければならないという話ではありません。媒介を依頼する宅建業者との間で、報酬についてきちんと説明・合意しておくことが大事です。
2.オーナーチェンジ物件は「中を見られないことが多い」と伝える
二つ目は、投資物件の内覧です。
すでに入居者が住んでいて、その家賃収入ごと引き継ぐオーナーチェンジ物件があります。
海外のお客様からすると、
「自分が何千万円も払って買うのに、中を見られないの?」
となることがあります。
気持ちは分かります。
でも日本では、現在入居している人の部屋に、
「オーナーが変わるかもしれないので、ちょっと中を見せてください」
と簡単に入るようなことは通常しません。
もちろん、管理会社を通して入居者へ確認し、本人が了承すれば内覧できるケースもあるかもしれません。
ただ実務上、賃貸中のオーナーチェンジ物件は室内を確認できない状態で売買するケースが多いです。
ここを先に伝えておかないと、物件を決める段階になって、
「中を見られないなら買わない」
となることがあります。
だから最初から、
「日本では入居者が住んでいる投資物件について、室内を見られないケースが多いです」
と説明しておいた方がいいです。
3.「利回り10%です」で僕は詐欺師扱いされた
三つ目は、投資物件の利回りです。
これは僕自身、結構大きな失敗をしました。
たとえば1,000万円の物件で年間家賃収入が100万円なら、日本の投資物件サイトなどでは、
表面利回り10%
と表示されることがあります。
僕も普通に「10%です、10%です」と説明していました。
ところが、海外のお客様からすると、
「固定資産税は?」
「管理費は?」
「修繕積立金は?」
となる。
仮に年間20万円の経費がかかるなら、単純な表面利回り10%と、経費を考慮した収益性は当然違います。
そのとき僕は、
「お前、これ7%くらいじゃないか。利回りを高く見せてるのか。詐欺師か」
みたいな感じで、英語でかなり怒られました(笑)。
もちろん僕は騙そうとしていたわけではありません。
日本で普段使っていた「利回り」という言葉と、相手が考えていた「Yield」の認識が違ったんです。
だから海外投資家に説明するときは、
「これはGross Yield、つまり表面利回りです」
と明確にする。
そして必要であれば、管理費、修繕積立金、固定資産税などを考慮したネットベースの数字も一緒に出す。
最初から、
「この利回りは何を差し引いて、何を差し引いていない数字なのか」
を明確にした方がいいです。
4.海外送金は契約当日に着金できないことがある
四つ目は手付金です。
日本国内の取引なら、契約時に手付金を支払う前提で段取りしていることが多いと思います。
ところが海外から送金する場合、同じ感覚で進めるとズレることがあります。
送金元の銀行や送金先の銀行で確認が入ったり、送金に時間がかかったりして、契約日に予定どおり着金しない場合があります。
僕らの過去の取引でも、銀行側で契約書などを確認してから送金・着金という流れになり、その場ですぐに手付金を渡せないケースがありました。
ここで大事なのは、買主だけではなく売主側にも先に説明しておくことです。
契約日に突然、
「海外送金なので今日は手付金が入りません」
と言ったら、当然売主側も困ります。
海外送金を使うなら、
「いつ送金するのか」
「いつ頃着金する見込みなのか」
「手付金の支払い時期を契約書上どう扱うのか」
を契約前にすり合わせておく。
具体的な契約条件や特約については、宅建業者や取引に関わる専門家とも確認したうえで決めた方がいいです。
5.契約当日に条件交渉を始めないよう、事前に最終確認する
五つ目は契約当日の交渉です。
日本の不動産売買では、通常は申込みをして、価格や条件を調整して、双方が合意した内容をもとに重要事項説明書や契約書を作って、契約日を迎えます。
ところが海外のお客様との取引では、僕らの経験上、契約当日に突然、
「あと100万円下げてよ」
「これも付けてよ」
「手数料半額でいいよね」
みたいな話が出たことがあります。
契約前なので、交渉すること自体はもちろん自由です。
ただ、売主も条件に合意して、契約書も全部作って、あとは契約するだけというところで突然条件を変えると、取引自体が壊れることがあります。
実際、こんな話も聞きました。
5物件買うというお客様がいて、契約書を5つずらっと並べた。
当日になってそれを見ながら、
「これは買う。これはいらない。これも買わない」
みたいに、その場で選び始めたそうです。
売主側は当然カンカンです。
でも、これも本人は日本の売主を怒らせようと思ってやっているわけではなく、本人にとっては普通の交渉だったのかもしれません。
だから、
「日本では主要な条件は契約日までに決めて、合意した内容で契約書を準備します」
ということを先に説明しておく。
契約日前に、
「価格はこれでいいですね」
「買う物件はこれですね」
「仲介手数料もこの条件ですね」
「契約日に新しい条件交渉をする予定はありませんね」
と最終確認しておくことが大事です。
日本の「当たり前」を相手も知っていると思わない
海外のお客様との取引で僕が一番感じたのは、これです。
日本人同士なら説明しなくても分かると思っていることほど、先に説明した方がいい。
仲介手数料、内覧、利回り、手付金、契約日の進め方。
こちらからすれば当たり前でも、相手の国ではまったく違うやり方かもしれません。
逆に、相手が悪いわけでもありません。
僕も利回りの説明で怒られて初めて、「あ、ここから説明しないとダメなんだ」と分かりました。
海外のお客様との取引では、相手の常識に合わせるだけでも、日本の常識を押し付けるだけでもなく、
「日本の不動産取引ではこう進めます」
と、当たり前だと思っているところまで言葉にして伝える。
これがかなり大事だと思います。
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