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BLOG 不動産研修 投資実務 安川 亮介

2026/09/17

ワンルームとファミリー、同じ区分マンションでも出口はまったく違う

マンション投資というと、「ワンルームマンション投資」を思い浮かべる人が多いと思います。でも、マンション投資はワンルームだけではありません。区分のファミリータイプも、当然投資対象になります。

では、ワンルームとファミリーは何が違うのか。広さ、家賃、入居者層などいろいろ違いはありますが、投資として僕が一番重要だと思うのは、出口と、その出口で使われるローンが違うことです。

今回のポイント
ワンルームとファミリーの差は、「どちらが儲かるか」だけではありません。最後に誰が買うのか。その人がどんなローンを使って買うのか。ここまで見ると、同じ区分マンションでも投資商品の性格がかなり違うことが分かります。

ワンルームは「次の投資家に売る」ことが基本になる

区分ワンルームは、投資商品として流通しているものが非常に多いです。賃貸中のまま「オーナーチェンジ物件」として売られ、購入する側も投資家というケースが多くなります。

そのため、価格を見るときも家賃と利回りがかなり重要です。月々いくら家賃が入るのか。その家賃に対して、いくらまでなら投資として買えるのか。収益還元の考え方で価格が決まりやすい。

例えば年間家賃が100万円入る物件を、利回り5%で買う人なら2,000万円。6%欲しい人なら約1,667万円です。極端に言えば、投資家は「この部屋に自分が住みたいか」ではなく、いくら収益を生む物件なのかを見ています。

ワンルームの出口では「次の買主が融資を受けられるか」が重要

そしてワンルーム投資でかなり重要なのが、出口です。売却するときも次の買主は投資家になることが多いので、その人が投資用ローンを使って買えるかどうかが価格に影響します。

ここで築年数が効いてきます。金融機関によって融資基準は異なりますが、築年数が進むと融資期間が短くなるケースがあります。融資期間が短くなれば、同じ借入額でも毎月の返済額は増えます。

例えば2,000万円を長期間で借りられる人と、短い期間でしか借りられない人では、同じ物件でも毎月のキャッシュフローが全然違います。

つまりワンルームは、単純に「築古だから建物の価値が落ちる」という話だけではありません。築年数が進むことで、次の投資家が使える融資条件が厳しくなり、その結果として買える人が減ることが出口に影響します。

ファミリータイプは「投資家以外」も出口にできる

ここがファミリータイプとの大きな違いです。ファミリータイプも賃貸中であれば、基本的にはオーナーチェンジとして投資家向けに売ることになります。

しかし、入居者が退去して空室になれば話が変わります。自分たちで住みたいという実需層にも売却できるようになります。

つまり、ファミリータイプには投資家に売る出口と、実需に売る出口の両方があるということです。

ここはマンション投資を考えるうえで非常に大きいです。投資家が見る価格と、自分で住む人が見る価格は、同じとは限りません。

投資家は利回りを見る。実需は「住みたいマンションか」を見る

投資家が買うなら、どうしても家賃と利回りが基準になります。家賃が20万円なら、このエリアで何%の利回りが必要か。そこから逆算して購入価格を考えます。

一方で、自分で住む人は利回りを計算してマンションを買うわけではありません。駅から何分なのか、何㎡あるのか、3LDKなのか、眺望はどうか、学校区はどうか、管理状態はいいか。そのマンションに住みたいかどうかで判断します。

だから、実需が強いエリアでは面白いことが起きます。投資家が「この家賃なら4,000万円まで」と考える物件でも、実需では「5,000万円でもここに住みたい」という人が出てくることがあります。

同じ部屋なのに、誰が買うかによって価格の決まり方が違う。これがファミリータイプの面白さです。

ファミリーの出口では「住宅ローン」が入ってくる

さらに重要なのがローンです。賃貸中の物件を投資目的で買うのであれば、基本的には投資用の融資を検討することになります。

しかし、退去後のファミリータイプを自分で住むために買う人なら、住宅ローンを利用できる可能性があります。

住宅ローンと投資用ローンでは、審査の考え方も条件も違います。住宅ローンでは、物件だけでなく年収、勤務先、年齢、自己資金など、購入者本人の返済能力が大きく見られます。

ここが出口価格に効いてきます。ワンルームの場合、「次の投資家が投資用ローンで買える価格」が一つの上限になりやすい。一方でファミリーの場合、空室にして実需へ持っていけば、住宅ローンで購入する層まで買主候補を広げられる可能性があります。

ここを間違えないでください。
「ファミリータイプなら投資家が住宅ローンを使える」という話ではありません。投資目的で住宅ローンを使うという意味ではなく、退去後に自己居住目的で購入する次の買主が住宅ローンを利用できる可能性がある、という意味です。

ファミリーは「実需価格と投資価格の差」を狙える

だからファミリータイプの投資では、購入するときの利回りだけではなく、実需で売った場合にいくらになるのかを見ることが重要です。

例えば、賃貸中なので投資家しか買えず、収益還元で4,000万円程度の価格になっている。でも同じマンションの空室住戸は実需市場で5,000万円前後で売れている。こういう物件なら、将来的に退去したタイミングで実需売却を狙える可能性があります。

もちろん、その差が必ず利益になるわけではありません。売却までの期間、リフォーム費用、仲介手数料、税金、市況変化などもあります。

ただ、「今いくらで貸せるか」だけではなく、「退去したら誰にいくらで売れるのか」まで考えられるのがファミリータイプの面白さです。

その代わり、ファミリーは利回りが低くなりやすい

当然、ファミリータイプにいいことしかないわけではありません。一般的にはワンルームより価格が高く、その価格に対して家賃がそこまで高くならないため、表面利回りは低くなりやすいです。

ワンルームなら小さい面積でもある程度の家賃が取れるため、㎡単価で見ると賃料が高くなりやすい。一方、ファミリーは面積が2倍になったからといって家賃も2倍になるとは限りません。

そのため、毎月のキャッシュフローだけを比べればワンルームの方が組みやすいケースがあります。

さらにファミリーは部屋が広いので、キッチン、浴室、洗面、給湯器、エアコン、床、クロスなど、退去時や設備交換時の金額も大きくなりやすいです。

ワンルームとファミリーは「何で利益を取るか」が違う

比較 ワンルーム ファミリー
主な売却先 投資家 投資家+空室なら実需
価格の見られ方 家賃・利回り 家賃・利回り+実需相場
出口の融資 投資用ローン中心 実需売却なら住宅ローン利用者も対象
利回り 比較的高くなりやすい 比較的低くなりやすい
狙いやすい収益 インカムゲイン インカム+実需出口によるキャピタルゲイン

「マンション投資=ワンルーム」ではない

マンション投資という言葉を聞くと、ワンルームを買って家賃を取ることだけをイメージする人が多いです。でも、それだけでは区分マンション投資の一部しか見えていません。

ワンルームなら、次の投資家がいくらで買えるのか。そのときにどんな投資用ローンが使えるのか。ファミリーなら、賃貸中ではいくらなのか。空室になったら実需でいくらなのか。住宅ローンで買える層まで出口を広げたとき、価格がどう変わるのか。

購入時の利回りを見るだけではなく、「最後に誰が買うのか」「その人はどうやってお金を借りるのか」まで考える。僕は、マンション投資を見るときはここまで考えた方がいいと思っています。

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