CURATION
2026/09/12
福岡で不動産エージェントをやるのはアリなのか?人口減少時代の不動産仲介を考える
これから福岡で不動産エージェントをやろうと思っている人にとって、「そもそも不動産業界ってこれから大丈夫なの?」というのは気になるところだと思います。
日本の人口が減っていく中で、不動産仲介という仕事を選ぶのは正しいのか。福岡という場所はどうなのか。そして、不動産会社の営業マンではなく、不動産エージェントとして働くことに将来性があるのか。
今回は僕なりに考えていることを書きます。
日本の人口は減る。それでも不動産仲介までなくなるのか
日本の人口が減っていくという大きな流れは変わりません。
人口が減れば、当然影響を受ける商売は出てきます。銀行の店舗も減っていますし、ガソリンスタンドやパチンコ店など、昔より明らかに数が減っている業態もあります。
「これから右肩上がりになる業界を探そう」と思っても、日本国内だけで考えると簡単ではありません。
流行っているからタピオカをやる、太陽光が流行ったからそこに行く、外国人が増えたから外国人向けの商売を始める。短期的に稼げるものはあると思います。
ただ、僕はそういう一時的なブームに自分の人生を全部乗せるのは怖いです。
では、不動産仲介はどうなのか。
新築住宅は減る。でも、それだけ見て不動産業界は終わるとは言えない
新設住宅着工戸数は、長期的には減少していくと予測されています。
ただし、以前この記事に書いていた「2030年にはピーク時の3分の1」という数字は現在の予測とは合わなくなっています。
NRIの2026年の予測では、新設住宅着工戸数は2030年度に約80万戸、2040年度に約61万戸と見込まれています。減少方向なのは変わりませんが、「あと数年で3分の1になる」という話ではありません。
ここで僕が見ているのは、新築だけではありません。
僕たち不動産エージェントが扱うのは、既存住宅、いわゆる中古物件もかなり多いです。
国土交通省の資料を見ると、既存住宅の流通量は年々増加傾向にあります。新築住宅の供給が減ることと、中古住宅の売買まで同じように減ることは別の話です。
人口が減っても、不動産そのものがなくなるわけではありません。
むしろ空き家が増えれば、
「この家をどうするのか」
「売るのか」
「貸すのか」
「解体するのか」
「相続したけどどうすればいいのか」
という相談は増えます。
僕はここに、不動産仲介の仕事がまだまだ必要とされる理由があると思っています。
国も既存住宅や空き家の流通を増やそうとしている
その流れは制度を見ても分かります。
代表的なものが建物状況調査、いわゆるインスペクションです。
2018年の宅建業法改正によって、既存住宅の媒介契約時には、建物状況調査を実施する者のあっせんについて書面に記載する仕組みが導入されました。さらに2024年4月からは、標準媒介契約約款で「あっせん無」とする場合の理由を記載する欄も設けられています。
中古住宅は新築と違って、建物の状態が分かりづらい。
だから、調査して状態を見えるようにして、買う人が判断しやすい市場にしていこうという流れがあります。
昔は「家が足りないから建てよう」だった日本が、今では空き家問題や既存住宅の活用を考える時代になっています。
安い空き家を扱いやすくするために仲介手数料の制度も変わった
もう一つ分かりやすいのが、低価格の空き家に対する仲介手数料です。
昔から、不動産仲介には「安い物件ほど商売になりにくい」という問題があります。
100万円、200万円の家でも、現地確認、役所調査、契約書作成、重要事項説明、決済など、やる仕事が極端に減るわけではありません。
それなのに物件価格に応じた通常の仲介手数料だけでは、仕事として成立しない案件もあります。
そこで制度が見直され、2024年7月からは、800万円以下の低廉な空家等について、一定の要件のもと、依頼者一方から受け取れる媒介報酬の上限が30万円+消費税まで引き上げられました。
これはかなり大きいと思っています。
空き家を流通させたい。でも、仲介会社が仕事として成り立たなければ誰も積極的に扱わない。
そこを制度側でも変えようとしているわけです。
福岡で不動産をやるという選択はどうなのか
次に福岡です。
僕が福岡で不動産をやっていて感じるのは、全国的に人口減少が進む中でも、福岡はかなり動きのある都市だということです。
天神ビッグバンや博多コネクティッドなどの再開発も進んできましたし、地価も上昇しています。
2026年の地価公示では、福岡市の平均変動率は住宅地で7.0%、商業地で9.0%、全用途で7.8%上昇しています。
スタートアップ支援にも力を入れていて、福岡市の資料では2024年度の開業率は21大都市の中で1位です。
海外との距離が近いのも福岡の特徴です。
博多港は2024年の外国クルーズ船寄港回数で全国1位でした。
だから僕は、「日本全体の人口が減る=福岡の不動産も全部ダメになる」という単純な見方はしていません。
もちろん、福岡なら何をやっても儲かるという話でもありません。
ただ、不動産をやる場所として福岡は面白い市場だと僕は思っています。
不動産会社は多い。だから会社ではなく「誰に頼むか」が重要になる
不動産仲介に需要があったとしても、不動産会社はものすごく多いです。
ここで「じゃあ不動産会社を作れば勝てる」という話にはなりません。
僕が面白いと思っているのは、会社そのものよりも、個人が選ばれる時代になってきていることです。
SNSもYouTubeもLINEもあります。
昔なら大きな会社しかできなかった情報発信を、今は個人でも普通にできます。
お客様も、
「どこの会社に頼むか」
だけではなく、
「誰に頼むか」
を見るようになっています。
ここが、不動産エージェントという働き方と相性がいいと思っています。
保険業界を見ても「会社から個人へ」という変化があった
この話をするとき、僕は保険業界の例をよく出します。
ソニー生命の前身となるソニー・プルデンシャル生命は1979年に設立され、1981年の営業開始と同時にライフプランナー制度をスタートしています。現在のソニー生命も、一人ひとりのライフプランに合わせたオーダーメイドの保障を提供するスタイルを掲げています。
プルデンシャル生命でも、ライフプランナーを「お客様と長期的に付き合う存在」と位置づけています。
僕がここで言いたいのは保険会社の歴史そのものではありません。
商品を売る営業から、人で選ばれる営業へ変わったということです。
僕は、不動産でも同じ方向に進むと思っています。
物件だけで選ばれるなら、どこの会社でもいい。
SUUMOに載っている物件を案内して、契約したら終わり。それだけなら、担当者の価値はどんどん薄くなると思います。
でも、
「家を買うならこの人」
「売るならこの人」
「投資なら一度この人に聞こう」
と思ってもらえれば話は変わります。
異業種から不動産エージェントになる人が面白い
僕は、不動産業界しか知らない人だけが強いとは思っていません。
元飲食店経営者でも、元会社員でも、元美容師でも、元営業マンでも、その人がそれまで築いてきた人間関係や経験があります。
不動産エージェントは、そこを全部使えます。
もちろん、不動産の知識や実務は勉強しないといけません。
でも、「これまで不動産をやったことがないから不利」というだけではない。
むしろ異業種で築いた信用や人脈、経験がそのまま武器になることがあります。
僕はそこが、この仕事の面白いところだと思っています。
僕は福岡の不動産仲介にまだ可能性があると思っている
新築住宅は今後減っていく。
日本の人口も減る。
空き家は増える。
これは都合よく無視できる話ではありません。
でも、その変化によって中古住宅、空き家、相続、住み替えなど、新しい相談も生まれます。
福岡というマーケット自体も動いている。
そして、不動産会社の看板だけではなく、個人を見て担当者を選ぶ環境もできてきています。
だから僕は、福岡で不動産エージェントとして仕事をすることに、まだ十分可能性があると思っています。
ただ、「これから伸びる業界だから入れば勝てる」という話ではありません。
結局は、自分でお客様を作り、自分で信用を積み上げ、自分自身を選んでもらえるかどうかです。
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