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BLOG 不動産ニュース 安川 亮介

2024/07/07

マンションの相続税評価は2024年からどう変わった?新ルールと相続対策を解説

マンションを相続する予定がある方にとって、確認しておきたいのが「相続税評価額」です。

2024年1月1日から、一定の居住用分譲マンションについて相続税・贈与税の評価方法が変更されました。

以前は、マンションの実際の取引価格と相続税評価額との間に大きな差が生じるケースがあり、この差を利用した相続税対策が行われることもありました。

今回の見直しでは、その差が大きいマンションについて評価額を補正する仕組みが導入されています。

2024年からマンションの相続税評価はどう変わった?

新しい評価方法は、2024年1月1日以後に相続、遺贈または贈与によって取得した一定の「居住用の区分所有財産」、いわゆる分譲マンションが対象です。

従来の土地・建物の評価をベースにしながら、

築年数
建物の総階数
その部屋の所在階
敷地利用権の持分

などを使って「評価乖離率」を算出し、そこから「評価水準」を求めます。

この評価水準が0.6未満になる場合には、区分所有補正率を使って評価額を補正します。

よく「マンションの相続税評価額が時価の60%になる」と説明されることがありますが、厳密には少し違います。

実際の売買価格を調べて、その60%に一律で評価する制度ではありません。

国税庁が定めた計算方法によって、従来の評価額と市場価格との乖離が大きいと考えられるマンションを補正する仕組みです。

なぜマンションの評価方法が変わったのか

マンション、特に高額なマンションでは、実際に市場で取引される価格に比べて、相続税を計算する際の評価額がかなり低くなるケースがありました。

そのため、現金をマンションへ換えることで相続税評価額を下げる、いわゆる「タワマン節税」が注目されてきました。

ただ、マンションによって評価額と市場価格の差が非常に大きくなることから、その乖離を是正するために評価方法が見直されました。

国税庁も今回の通達について、「近年の区分所有財産の取引実態等を踏まえ」評価方法を定めたものとしています。

どんなマンションが影響を受けやすい?

新しい計算では、築年数、階数、所在階、敷地持分などが評価乖離率に影響します。

そのため、従来の相続税評価額と市場価格との差が大きかったマンションほど、今回の見直しによって評価額が上がる可能性があります。

一方で、すべてのマンションの評価額が必ず上がるわけではありません。

評価水準が0.6以上1以下の場合は、原則として今回の補正を行わず、従来の評価方法によって評価します。

つまり、

「タワーマンションだから必ず上がる」

「築浅だから必ず相続税が増える」

という単純な話ではありません。

所有しているマンションごとに計算する必要があります。

相続税評価額が上がると、相続税も必ず増えるのか?

ここも注意が必要です。

マンションの評価額が上がったからといって、必ず相続税の納税額が増えるとは限りません。

相続税はマンション一室だけで計算するものではなく、預貯金、株式、土地、建物、生命保険などの財産や債務、相続人の人数、各種控除・特例などを含めて計算します。

そのため、

「マンションの評価額が○万円上がったから、相続税が○万円増える」

とは単純には言えません。

まずは所有しているマンションの評価額が新ルールでどの程度になるのかを確認したうえで、相続財産全体で考える必要があります。

マンション相続で検討される主な制度

相続対策については、「これをやれば節税できる」と一つの方法だけで考えない方がいいです。

家庭状況、財産構成、相続人、マンションの利用状況などによって使える制度が変わります。

代表的なものをいくつか紹介します。

小規模宅地等の特例

被相続人の居住用などに使われていた一定の宅地等について、要件を満たせば相続税評価額を減額できる「小規模宅地等の特例」があります。

例えば、一定の特定居住用宅地等については、限度面積まで80%の減額が認められる場合があります。

マンションの場合も敷地利用権がありますので、条件によってはこの特例を検討できる場合があります。

ただし、誰が相続するのか、被相続人がどのように利用していたのかなど細かな要件があります。

「自宅マンションなら必ず80%減額できる」という制度ではないので注意してください。

生前贈与

生前贈与によって将来の相続財産を移転する方法もあります。

ただし、「贈与すればその分だけ相続財産から完全に外れる」と考えるのは危険です。

暦年課税の贈与については、2024年1月1日以後の贈与から、相続税の課税価格へ加算する対象期間が段階的に延長され、最終的には相続開始前7年以内が対象になります。

贈与税と相続税のどちらが有利かも、金額や家族構成によって変わります。

生前贈与を行う場合は、税理士などへ確認したうえで進めることをおすすめします。

生命保険

生命保険も相続対策で使われることがあります。

被相続人が保険料を負担していた死亡保険金を相続人が受け取る一定の場合には、

500万円 × 法定相続人の数

まで、相続税の非課税限度額があります。

ただし、契約者、被保険者、受取人の関係によって税金の種類や扱いが変わります。

「生命保険なら全部非課税」というわけではありません。

「マンションを買えば相続税対策になる」とは簡単に言えなくなった

以前は、相続税対策としてマンション購入を提案されるケースもありました。

もちろん、現在でも不動産が相続対策の選択肢になるケースはあります。

ただ、2024年からマンションの評価方法が見直された以上、

「現金をマンションに変えれば評価額が大きく下がる」

という前提だけで購入を判断するのはおすすめできません。

不動産には、価格下落、空室、管理費・修繕積立金、売却しにくさなど、税金とは別のリスクもあります。

相続税だけを見て不動産を買うのではなく、資産全体の中でその不動産を持つ意味があるのかを考える必要があります。

相続したマンションを「持つ・売る・貸す」も一緒に考える

相続したマンションについて相談を受けていると、税金だけではなく、

「このまま持っておいた方がいいですか?」

「売った方がいいですか?」

「貸した方がいいですか?」

という話になることも多いです。

相続税評価額と、実際に売却できる価格は別物です。

相続後に使う予定がないのであれば、売却価格や賃料、管理費、修繕積立金、固定資産税なども含めて考えた方がいいです。

税金の計算は税理士、不動産の価格や売却・賃貸については不動産会社というように、それぞれの専門家に確認しながら判断するのが現実的です。

まとめ

2024年1月から、一定の居住用分譲マンションについて相続税・贈与税の評価方法が変わりました。

従来の評価額と市場価格との乖離が大きいマンションについては、評価額が以前より上がる可能性があります。

ただし、すべてのマンションが一律で「時価の60%」になるわけではなく、マンションごとに評価乖離率などを使って計算します。

また、相続対策についても、小規模宅地等の特例、生前贈与、生命保険などがありますが、使えるかどうかは個別の条件によって変わります。

「マンションを相続する予定がある」「相続したマンションを売るか貸すか迷っている」「まず不動産としていくらくらいなのか知りたい」という方は、Revo公式LINEからご相談ください。

税務判断が必要な内容については税理士への確認が必要ですが、不動産の査定や売却、賃貸、今後の活用についてはRevoでご相談いただけます。

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