CURATION

  • HOME
  • CURATION
  • 日本の空き家は今後どうなる?900万戸時代に「売れる家・売れない家」の違い
BLOG 不動産ガイド 相続・空き家 安川 亮介

2026/09/14

日本の空き家は今後どうなる?900万戸時代に「売れる家・売れない家」の違い

日本の空き家は今後どうなる?900万戸時代に考えたいこと

日本では空き家がかなり増えています。2023年の住宅・土地統計調査では、全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%で過去最高になりました。30年前と比べると、空き家の数は約2倍です。さらに、賃貸用・売却用・別荘などを除いた「使用目的のない空き家」も約386万戸あります。

ただ、「空き家が900万戸ある」と聞くと、全部がボロボロで誰も使わない家のように感じるかもしれませんが、そうではありません。賃貸募集中の住宅や売却中の住宅なども、この空き家の数字には含まれています。

今回考えたいのは、その中でも相続したけれど誰も住んでいない、売るか貸すかも決めていない、結果としてそのままになっている空き家です。

空き家は「家を持っている=資産」と単純に考えられない時代になってきています。立地や道路付け、建物の状態によっては普通に売れる家もあれば、賃貸にすることで価値が出る家もあります。逆に、場合によっては費用をかけてでも手放すことを考えなければいけない不動産もあります。

なぜ日本では空き家が増えているのか

空き家が増える大きなきっかけの一つが相続です。親が住んでいた実家を子どもが相続したものの、子ども自身はすでに別の場所に家を持っていて、その実家には誰も住まない。こういうケースは珍しくありません。

でも、親が長年住んでいた家なので思い出もあります。家具や家電、写真、衣類などの荷物もそのまま残っている。「今すぐ売るのもちょっとな」と思って、とりあえずそのままにしてしまう。

これ自体はすごく自然なことだと思います。ただ、その状態が5年、10年と続けば、建物は古くなります。庭があれば草木も伸びますし、雨漏りや設備故障など管理する部分も増えていきます。

なので空き家問題は、単純に「誰も欲しくない家が増えている」という話だけではありません。所有者はいるけれど、その不動産を今後どうするのか決まっていないケースが増えているということでもあります。

法改正で「とりあえず放置」がしにくくなっている

空き家については法律も変わっています。以前から、倒壊の危険がある、衛生上大きな問題がある、周辺へ著しい悪影響を与えているといった空き家については、「特定空家」として行政から指導や勧告を受ける仕組みがありました。

さらに2023年12月に施行された改正空家法では、その一歩手前として「管理不全空家」という仕組みができました。

今すぐ倒壊するような状態ではなくても、このまま放置していると特定空家になるおそれがある住宅について、市区町村が指導や勧告を行えるようになっています。

ここで重要なのが固定資産税です。

住宅が建っている土地には住宅用地の特例があり、一定の条件を満たす小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が原則として6分の1になります。

ところが、管理不全空家や特定空家として市区町村から勧告を受けると、この住宅用地特例の対象から外れる場合があります。

「古家を残しておけば固定資産税が安いから、そのままでいい」とは限りません。
管理状態が悪化して行政から勧告を受けると、住宅用地の固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性があります。

空き家を売りやすくするため、仲介手数料のルールも変わった

空き家問題では、一般のお客様からすると少し意外な問題があります。それが、価格の安い不動産ほど不動産会社が仲介しにくかったことです。

例えば地方の古い戸建てを100万円や200万円で売却するとします。価格が安くても、不動産会社がやることまで極端に少なくなるわけではありません。

現地を確認して、役所で調査して、道路や境界を確認して、契約書や重要事項説明書を作る。物件によっては、安い空き家の方が調査に時間がかかることもあります。

ところが従来の仲介手数料の計算だと、低価格の不動産では不動産会社が受け取れる報酬もかなり小さくなります。そうすると「調査にはかなり手間がかかるけど、仕事として成立しにくい」という問題がありました。

そこで2024年7月から、800万円以下の「低廉な空家等」について仲介手数料の特例が拡大され、一定の場合には依頼者一方から受け取れる仲介手数料の上限が税込33万円となりました。

単純に「仲介手数料が高くなった」という話ではなく、これまで不動産会社が取り扱いづらかった低価格の空き家も、市場に出しやすくするための制度変更という側面があります。

空き家は「持っているとき」と「売るとき」の税金を見る

空き家については税金も関係します。所有している間は固定資産税等がかかりますし、先ほど説明したように管理状態によっては住宅用地の特例が外れる可能性もあります。

一方、相続した一定の空き家を売却する場合には、条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

ただし、相続した空き家なら何でも対象になるわけではありません。築年月、建物の種類、相続後の利用状況、売却期限など細かい条件があります。

この税金については別の記事で詳しく解説しています。「相続した空き家だから3,000万円まで税金がかからない」という制度ではないので、売却前に確認しておいた方がいいです。

空き家は「壊して土地にする」だけが活用方法ではない

古い空き家を見ると、「もう壊して更地にするしかないですよね」と言われることがあります。でも、必ずしもそうではありません。

物件によっては、そのまま中古住宅として売れる場合があります。リフォームして再販する場合もありますし、戸建て賃貸として貸せることもあります。立地や建物によっては、店舗や事務所など別の用途で使える可能性もあります。

逆に、建物として使うより解体して土地として売った方が買い手を見つけやすいケースもあります。

だから重要なのは、単純に古いか新しいかではありません。

その場所に需要があるのか。その建物にお金をかける意味があるのか。

ここを見た方がいいです。

古い空き家でも、賃貸が付けば売れる場合がある

空き家を見るときに知っておいてほしいのが、古い家だからといって必ず売れないわけではないということです。

例えば築年数がかなり経っている戸建てでも、修繕して賃貸に出したところ入居者が付き、毎月家賃が入っている物件があります。

そうなると、その不動産を見る人が変わります。

自分で住む人からすると「築年数が古いからちょっと嫌だな」と思う家でも、不動産投資家からすると毎月家賃が入ってくる収益不動産になります。

例えば毎月5万円の家賃なら年間60万円です。当然、修繕費や固定資産税、将来の空室リスク、土地の価値なども考える必要がありますが、「この価格なら買いたい」という投資家が出てくる可能性があります。

だから、古い=売れない、ではありません。

逆に「売るためにはきれいにしないと」と思って、先に何百万円もリフォームするのが正解とも限りません。そのまま売った方がいい物件もあります。

空き家で一番確認したいのは「壊したあと、また建てられるか」

僕が古い空き家を見るとき、建物と同じくらい、場合によっては建物以上に気にするのが土地です。

建物は最終的には解体することができます。でも、土地そのものの条件は簡単には変えられません。

特に大事なのが道路付け、つまり接道です。

建築基準法では、建築物の敷地は原則として一定の道路に2m以上接している必要があります。ただし、道路の種類や敷地の条件によって例外や許可制度もあるため、「道路が狭い=絶対に再建築できない」と単純には判断できません。

ここで一番注意してほしいのが、今そこに家が建っていることと、壊したあとに同じような家を新しく建てられることは別だということです。

空き家で怖いのは、古いことだけじゃない。
建物を壊したあとに、新しい建物を建てられる土地なのか。空き家を売る場合でも買う場合でも、ここは確認した方がいいポイントです。

前面道路が建築基準法上どのような扱いなのか。敷地が道路に何m接しているのか。セットバックが必要なのか。市街化調整区域など別の制限がないのか。

この条件によって、同じように見える古家付き土地でも価値はかなり変わります。

だから「家がボロボロだから、とりあえず壊そう」と先に動くのではなく、まず土地の条件を確認した方がいいです。

「土地を持っている=資産」とは限らない

昔から「土地だけは持っておいた方がいい」と言われることがあります。

もちろん、駅に近い、住宅需要が強い、商業地として価値があるなど、持っていることで十分な資産価値がある土地はたくさんあります。

ただ、日本全国すべての土地がそうではありません。

人口が減っている地域で、買いたい人も借りたい人も少ない。建物は古い。道路条件にも問題がある。毎年固定資産税や管理費用だけがかかる。

こうなると、「土地を持っているから資産がある」というより、維持するためにお金と手間がかかる不動産になってしまうことがあります。

だから「土地だから絶対に残した方がいい」と決めるのではなく、その地域の需要と不動産としての条件を見た方がいいです。

場合によっては「お金を払ってでも手放したい」空き家もある

不動産を売却すると聞くと、「家を売ったらお金が入ってくる」と思うのが普通だと思います。

でも、すべての不動産がそうとは限りません。

例えば、売却できる価格が100万円だったとします。でも家の中には大量の荷物が残っている。土地の境界も分からない。買主から建物を解体して引き渡してほしいと言われる。

確認するもの 考えられる負担
残置物 家具・家電・衣類などの処分
境界・測量 売却条件によって測量等が必要になる場合がある
建物 修繕や解体が必要になる場合がある
管理 売却までの草刈り、清掃、修繕、固定資産税等

もちろん、実際に必要になる費用は物件によって全然違います。

ただ、売却価格より処分や整理にかかる費用の方が大きくなれば、発想としては「いくらで売れるか」ではなく、「いくら負担すれば、この不動産を整理できるか」に変わる場合があります。

極端な話に聞こえるかもしれませんが、需要の低い地域や条件の難しい不動産では、現実に考えなければいけないことがあります。

だから古い家をすぐ解体するのもおすすめしない

「どうせボロボロだから、不動産会社へ相談する前に解体しておこう」と考える方もいます。

でも僕なら、先に相談してほしいです。

建物が古くても、そのまま買う人がいるかもしれません。賃貸として使えるかもしれません。古家付き土地として売った方がいい場合もあります。

逆に、建物を解体することで住宅用地としての固定資産税の扱いが変わることもあります。

そして何より、先ほどの道路付けの問題があります。

今建っている建物を壊したあと、本当に新しい建物を建てられるのか。それを確認せずに解体してしまうのは避けた方がいいです。

空き家は「古いから壊す」のではなく、「この不動産を最終的にどう使うか」を考えてから解体する。僕はこの順番がいいと思います。

空き家の価値は「建物・土地・市場」の3つで見る

相続した空き家について、「築50年だから、もう価値はないですよね」と言われることがあります。でも、築年数だけでは判断できません。

僕なら、大きく3つに分けて見ます。

① 建物
今のまま使えるのか。修繕はいくら必要なのか。住宅や賃貸として利用できるのか。

② 土地
立地、広さ、形、接道、前面道路、再建築の可否など。

③ 市場
その地域で買う人がいるのか。借りる人がいるのか。投資家から見て収益が合うのか。

建物が古くても土地が強ければ売れることがあります。土地の価格が低くても、賃貸需要があれば収益物件として成立することがあります。

逆に、建物が立派でも、その地域に需要がなく、土地の条件にも問題があれば売却が難しくなることがあります。

「築何年だから価値はいくら」という単純な話ではありません。

空き家は今後「持っているだけ」では厳しくなると思う

日本では今後も空き家の増加が見込まれています。それに合わせて、管理不全空家への対応、仲介手数料の特例、税制、空き家活用の仕組みなど、制度も変わってきています。

この流れを見ると、僕は「何となく持っておく」という選択が一番難しくなっていくと思っています。

使うなら使う。貸せるなら貸す。売れるなら売る。残すならきちんと管理する。

どれが正解という話ではありません。

ただ、誰も使わない、管理もしない、売却もしないという状態が長く続けば、建物の状態は悪くなりますし、売却や活用の選択肢が減っていく可能性があります。

相続した空き家は、価値が分からない段階で相談していい

「こんな古い家を不動産会社に見せても仕方ない」と思う必要はありません。

むしろ、解体したり、大きなリフォームをしたり、大量の荷物を全部処分したりする前に相談した方がいい場合があります。

そのまま売れるのか。賃貸として使えるのか。土地として価値があるのか。再建築できるのか。売却するために費用が必要になるのか。

まずそこを整理してから、お金をかける順番を決めた方がいいです。

空き家だから価値がないとは限りません。でも、空き家だから必ず資産になるとも限りません。

Revoでは、相続した空き家をまだ売ると決めていない段階でもご相談いただけます。建物だけではなく、土地の条件や周辺の需要まで見ながら、「売る・貸す・残す・解体する」のどれが現実的なのかを一緒に整理します。

相続した空き家についてお悩みの方へ
古い家でも、そのまま売れる場合、貸せる場合、土地として価値がある場合があります。解体やリフォームをする前に、まず現在の状態から確認してみてください。

空き家についてLINEで相談する

※再建築の可否、接道、用途地域、市街化調整区域その他の建築制限は、不動産ごとに異なります。また、固定資産税や譲渡所得税などの税務上の取扱いも個別条件によって異なります。具体的な売却・建築・税務判断を行う場合は、行政、不動産会社、建築士、税理士等の専門家へご確認ください。

不動産エージェントにご興味ある方はこちらから説明会を予約

     
   

コメントは受け付けていません。

LINEで相談 個別面談 オンライン説明会